(VOVWORLD) - 統計総局の最新情報によりますと、8月半ば現在、ベトナムに対するFDI=外国直接投資の登録額は180億ドルを超え、昨年同期と比べ、8.2%増となりました。一方、昨年3月、新型コロナウイルス感染症の抑制後、観光事業が再開されて以来、去る7月に、ベトナムを訪れた外国人観光客がはじめて100万人を超えました。
こうした成果はベトナムが外国人投資家や観光客にとって魅力的な旅行先であり続けることを示し、ベトナム経済回復に弾みをつけるものとなっています。
FDI 増加の傾向
FDI誘致上位分野の中で加工・製造業がトップに立ち、不動産経営、銀行・金融、科学技術分野がそれに次いでいます。
FDI誘致上位地方に関して、北部港湾都市ハイフォンはFDI誘致で2位に立ち、投資総額は20億ドルを超え、昨年同期と比べ、96.5%増となりました。台湾の電子機器受託生産大手ペガトロンのベトナム社のチェン・チーリャン社長は次のように語りました。
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「ハイフォン経済区管理委員会の大きな支援をいただきました。短期間に、工場の建設を終え、稼働させました。今後、ハイフォン市への投資を計画しています。電子機器のサプライチェーンに注目している欧州やアメリカの提携先は私たちに協力を求めました」
一方、東北部クァンニン省は新世代のFDIプロジェクトの目的地として知られています。去る6月末に同省はフォックスコン・テクノロジー・グループに2億4600万ドルを超える2件の新規プロジェクトに投資許可証を発給しました。これにより、クァンニン省に対する同グループの投資総額は3億8300万ドルを超えています。他方、ベトナムに生産拠点を新設した精密部品製造のキャステム社のKomoto Tomoshi社長は次のように語りました。
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韓国はベトナムにとって最大の投資国であり、投資登録額がおよそ800億ドルを突破しました。新型コロナ流行期間にも、ベトナムに対する投資が維持され、さらに増加しました。韓国企業9200社あまりはベトナムの工業、建設、農業、観光、サービス業、輸出などにFDIを行っています。ベトナム駐在韓国企業協会のホン・サン副会長はベトナムでの投資チャンスを高く評価し、次のように強調しました。
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「新型コロナウイルス感染症発生の前にもベトナムの投資環境が韓国だけでなく、他の国の投資家の注目を集めていました。現在、韓国をはじめ、外国人投資家はベトナムでの投資活動を拡大しています。ベトナムと韓国は協力を成功させるよう希望します」ベトナムのスタートアップやイノベーションなどに対する外国の投資も増加の傾向にあります。2023年から2025年期にベトナムの起業家に対する投資家の公約額は15億ドルとなっています。
安全で親しみやすい目的地
観光分野に関して、今年7月に、ベトナムを訪れた外国人観光客は延べ百万人を超えました。これにより、年初からの7か月、ベトナムを訪れた外国人観光客は延べ660万人に達し、昨年同期と比べ、およそ7倍となりました。
こうした成果はベトナム政府が社会経済開発で観光を重視し、観光を創造・文化産業と連携させるという政策を取ったことによるものです。長年、ベトナムに住んでいる外国人は、ベトナムが小さな国ですが、多様な文化を持っていると評価しています。この潜在力を活用し、ベトナム政府が打ち出した2050年を見据えた2030年までの観光開発戦略を実施することにより、ベトナムは外国人観光客にとって魅力的な目的地になるとしています。在ベトナムパレスチナ大使館のサーディ・サラミ大使は次のように語りました。
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「かつて、誰もがベトナムにといえば戦争を想起しましたが、現在、人々はベトナムの社会経済開発や素晴らしい観光スポットへの理解を深めたいはずです。ベトナムは外国人にとって重要な選択肢となっています」
世界情勢が複雑に推移する中で、ベトナムは多くの影響を受けていますが、年初からのベトナム経済の前向きな兆しにより、今後力強い発展が約束されるとしています。