新型コロナとの闘いの先頭に立っている医療関係者

「誰一人も取り残さない」という方針は2020年の初めに始めて打ち出されました。それ以来、この方針は、党と国家のすべての政策・主張の基盤となっており、政治システムの行動指針ともなっています。特に、新型コロナの第4波が4月に起きて以来、この方針は浮き彫りとなっています。

この数日、党・国家・政府及び地方行政府の指導者らは相次いで南部各地を始め、深刻な状況にある感染地区を視察し、新型コロナ予防対策や社会福祉の確保を直接指導しています。その中で、ファム・ミン・チン首相は北部のバクザン省とバクニン省、南部のドンナイ省、ロンアン省、ビンズオン省、ホーチミン市などへ赴き、感染地区にある住民の家を訪れました。これらの視察の結果、政府は、総額26兆ベトナムドン（日本円で1300億円）の支援パッケージの展開を促すために、2021年7月に「新型コロナ禍にある労働者と雇用者への補助政策」に関する決議を採択しました。また、5月に、社会全体のリソースをワクチンの調達に活用するために、「新型コロナウイルスワクチン基金の設立」に関する決議を採択しました。

また、政府は、ワクチンの輸入を強化するとともに、国産のワクチンの研究・開発・製造を精力的に進めています。これは「新型コロナウイルスワクチン戦略」を実現させるためのものです。この戦略は、全国各地で1万8千カ所の接種場所を設置し、全国民にワクチン接種を無料で行うことが狙いです。

封鎖されている地区の住民に食料品と生活必需品を提供するために、軍隊も動員されました。

そして、国民の命と健康を第一にする政府はワクチン接種を進めるとともに、感染者の治療に力を入れています。感染状況が最も深刻な南部各地には、他の地方から1万6千人の医療関係者の他、数百トンの医療機器・医療資材が送られました。

政府は新型コロナ禍においては社会福祉の確保を最優先課題の一つと見なしており、社会的弱者を始め、感染地区の住民の安定的な生活を守るために全力を尽くしています。封鎖されている地区の住民に食料品と生活必需品を提供するために、軍隊も動員されました。

新型コロナ予防対策と社会福祉の確保の傍ら、経済回復は優先課題です。疫病の影響を受けたにもかからわず、今年上半期の工業生産の伸び率は前年同期と比べ、9.3％、農産物の輸出額は28.2％増となっています。これらの成果は国内外の経済専門家から好評を得ています。

こうしたベトナムはこれからも、限られたリソースを活用して、「誰一人も取り残さない」という方針を堅持してゆきます。