(VOVWORLD) -EU=欧州連合はIUU=違法・無報告・無規制漁業への対処が不十分であるとしてベトナムの水産物にイエローカードを適用しています。
これまで、ベトナムの政府、農業農村開発省、および沿岸地方は、イエローカードの早期解除のために取り組んできました。
沿岸地方の努力
沿岸地方は、首相の決定81号に従って、違法・無報告・無規制漁業防止対策、漁船の管理、操業漁船の検査・検察などに関する行動計画を発布しました。
南部キエンザン省は約9800隻の漁船を持つことで、国内で漁船総数が一番多い地方となっています。同省の行政当局は、漁船主や、水産物の水揚げ・買い付け・加工に従事する企業主、船長、漁民に充てた手紙を送り、その中で違法・無報告・無規制漁業防止対策を積極的に応援するよう呼びかけました。現地にある2か所の漁港では、関連機関は、漁船の出入港の検査を厳格化させ、所定の書類や船舶監視設備などを十分に確保していない漁船に対し出港を断固として許可していません。
クアン副首相とキエンザン省の関連機関の代表との会合 |
先ごろ、チャン・リュウ・クアン副首相は、EC欧州委員会の勧告の実施状況を検査するためキエンザン省を訪れた際、次のように語りました。
(テープ)
「キエンザン省の行政当局や、漁民は違法・無報告・無規制漁業防止対策に向けて大いに努力してきました。今年10月をめどにイエローカードの解除を目指して、皆さんは、外国海域で違法操業をするケースが発生しないようにさらに取り組んでください」
一方、南部ベンチエ省では、現地の水産支局は国境警備隊と連携して、操業漁船の監視システムを24時間体制で監視しています。
また、バリアブンタウ省では、船舶監視システムが設置された漁船数は2631隻で、漁船総数の95%を占めています。船舶監視システムをまだ設置していない残りの漁船は、活動を停止しています。
バリアブンタウ省農業農村開発局のフィン・ソン・タイ局長は次のように語っています。
(テープ)
「農業農村開発局は、常に漁港や、水産物の買い付け・加工施設に対して抜き打ち検査などを行っています。また、バリアブンタウ省に違法・無報告・無規制漁業防止対策指導委員会の健全化を助言しました。これまでに、操業中の漁船を監視するために海岸沿いに監視ステーションを追加しました」
宣伝啓蒙を通じて、持続可能な漁獲に関する認識を向上
北中部タインホア省の沿岸警備隊は、IUU漁業対策を目指し、常時それぞれの漁民の家庭、漁船を訪れて、IUU漁業をしないよう働きかけたり、漁船の安全、通信設備の状況や、漁網などを検査したり、漁船主に違法漁獲をしないという 誓約書のサインを求めたりしています。
ギーソン町ハイタン区人民委員会のド・スアン・チュン委員長は次のように語っています。
(テープ)
「近年、国境警備隊、漁港管理委員会は、地元の行政当局と連携して、漁民、船長、漁船主のもとを訪れて、違法漁獲をしないという確約の徹底的遂行を働きかけてきました。現在、ハイタン区にある大多数の漁船主は、違法・無報告・無規制漁業を行わないと約束しています」
先日、農業農村開発省のレ・ミン・ホアン大臣は、IUU漁業対策の推進を協議するため、水産部門の代表と会合を行った際、持続可能な漁獲に関する漁民の認識向上の重要性を強調しました。
ホアン大臣 |
ホアン大臣は次のように語っています。
(テープ)
「持続可能な漁獲に関する農民や漁民の認識を向上させるためには、宣伝啓蒙活動を積極的に行う必要があります。ですので、各地方の行政当局、関連機関、水産支局は、地元の漁民や農民に宣伝啓蒙を行うに際して、コミュニティのダイナミズムを活用しなければなりません」
今年10月末、欧州委員会の査察団はIUU漁業対策の実施状況を検査するため、ベトナムで現地調査を行なう予定です。今回の現地調査は、ベトナムの水産物に対するイエローカードの解除にとって非常に重要だとされます。そこで、各省庁、部局、地方、及び漁民たちは、持続可能な漁業開発を目指して、IUU防止対策に関する欧州委員会の勧告を積極的に実施しています。