(VOVWORLD) - ベトナムでは、国家は国民の、国民による、国民のためのものです。国民は選挙権の行使を通じて、国家体制の構築と運営に貢献します。そのため、ベトナム国民は誰もが、率先して自らの選挙権を行使します。その意味で、選挙日は「全国民の祭り」となっています。
1969年4月27日に投票を行っているホーチミン主席 |
最近、インターネットでは、5月23日に予定されている国会選挙と各レベルの人民評議会選挙の投票日に投票に「行かないように」という呼びかけが流布されています。しかし、ベトナム人は誰もが、選挙権は国民の神聖な権利と義務であるということをよく理解しています。この選挙権は、ベトナム人の各世代が数えきれないほどの犠牲を払って取り戻してきたものですから。
選挙権とは、参政権のうちの1つであり、選挙人の資格すなわち選挙に参加できる資格もしくは地位を指します。 これは選挙において投票する権利(投票権)のみならず、候補者の紹介と推薦を行う権利や選挙人名簿への登録を受ける権利などを含みます。選挙を通じて、国民は国の主人公としての自らの意思や願望、権限などを代表する人を選出します。これは国家体制の構築に欠かせない活動です。
ベトナムでは、1945年前は、憲法すらなく、選挙も行われませんでした。ベトナム共産党の指導の下で行われた1945年の8月革命はベトナム人民に選挙権を含むかつてないほどの多くの権利を与えました。ベトナム初の憲法である1946年憲法の第18条は国民の選挙権を強調し、その中で、「精神病の患者と公民権停止の人以外、男女を問わず、18歳以上のベトナム国民のすべては選挙権を持つ。」と明記しました。その後の1959年憲法、1980憲法、1992憲法も選挙権を強調しました。また、現行の2013年憲法の第27条は、「十八歳以上の全ての市民は選挙権を有し,全ての二十一歳以上の市民は国会及び人民評議会への立候補権を有する。これらの権利の実現は法律が定めると ころによる。」と記入しています。
選挙権は国民の最も重要な権利であり、国民の責任と義務でもあります。そのため、有権者に投票に行かないよう呼びかけることが法律違反であることはもちろん、国民の権利と義務に反するものです。
ベトナムの歴史・政治・文化に見合う選挙制度が構築され、実際、今までの国会選挙と各レベルの人民評議会選挙は民主的かつ公平的に行われました。また、54の民族が共に住んでいる多民族国家なので、ベトナムの党と国家は常に、少数民族の選挙権に関心を寄せています。現行の国会選挙法は、候補者の少なくとも18%は少数民族出身であるという規定があります。現在、53の少数民族は総人口の15%を占めていますが、多くの国会選挙で、選出された少数民族出身の議員の数は、この割合を上回っています。例えば、少数民族出身の議員は、第11期国会で議員定数の17.2%、第14期国会で17.3%を占めました。
そして、社会における女性の役割が益々高まっていることに連れて、国会における女性議員の数も増えつつあります。現行の国会選挙法は、候補者の少なくとも35%は女性であるという規定があります。国連婦人開発基金の報告によりますと、ベトナムは、女性議員の割合がかなり高い国の一つであるとしています。
ベトナムでは、国家は国民の、国民による、国民のためのものです。国民は選挙権の行使を通じて、国家体制の構築と運営に貢献します。そのため、ベトナム国民は誰もが、率先して自らの選挙権を行使します。その意味で、選挙日は「全国民の祭り」となっています。