(VOVWORLD) -ベトナムを題材とした本を書いた外国人は多くいますが、マルコさんはベトナム語で小説を出版した初めての外国人作家となっています。
授賞式(写真:thoidai.com.vn) |
先頃、ハノイで、ハノイに関わる研究テーマや、詩歌、絵画、音楽、映画、芸術を対象とする「ブイ・スアン・ファイ賞・ハノイへの愛2020」の授与式で、セルビア人の若手作家であるマルコ・ニコリックさんが執筆した小説「教会の通り」が受賞されました。
この小説を読むと、だれもがこの若手作家のハノイへの深い愛と素晴らしいベトナム語能力を驚くことでしょう。ベトナムを題材とした本を書いた外国人は多くいますが、マルコさんはベトナム語で小説を出版した初めての外国人作家となっています。今日のこの時間はハノイに対するあるセルビア人の作家の愛についてお伝えします。
今年32歳のマルコさんは2014年以来、ベトナムで英語を教えてきました。彼は現在、ハノイに在住しています。マルコさんは14歳の頃から本を書いており、欧州で2冊の本を出版しました。マルコさんはハノイに住んでいる間に体験したことをベトナム語で小説を書くことにしました。
(テープ)
「自分が何について書くかを決めるまで1年をかけて、考えました。テーマが決まってから、1年でこの本を書きました。一日に、1ページだけですが書けました。」
マルコさんが執筆した「教会の通り」という小説は2019年9月に公開されました。若い外国人がハノイを題材とした小説の内容はハノイの旅行ガイドか、美味しい料理やレストランを紹介するものだと思われがちですが、実際、この小説はマルコさんならではの視点でハノイを描いたものです。
マルコさんはハノイに着いた時から、ハノイ大教会に強く魅了されました。幾度もこの大教会とその大教会前を行ったり来たり、通りを散歩したので、ハノイをテーマとした小説のタイトルを「教会の通り」にしたのです。この小説はハノイに初めて訪れたフランス人の男性のことを描いたものです。自分の目で見たハノイは古い町並みで、ロマンチックな映画のロケ地のようで、この男性の想像と全く違っています。マルコさんの話です。
(テープ)
「小説の中で、私はハノイに在住している外国人の生活を描いています。私は外国人の目で見たベトナムの社会を描くことなく、外国人がベトナムで直面している個人的な問題を書いています。例えば、恋愛のこと、ベトナム人と外国人との矛盾などです」
‘教会の通り’という小説 (写真:thethaovanhoa.vn) |
300ページのこの小説で、マルコさんは優れたベトナム語の能力を示すだけでなく、ベトナムの多くのことわざをよく使っています。この小説を読むと、ベトナム文化を理解することに対するマルコさんの大きな努力が感じられます。ニャナム出版社の編集員グエン・ホアン・ジエウ・トゥイさんは「‘教会の通り’という小説はユーモアがありながら、主人公を探検する旅で魅了されている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「優れたベトナム語能力がなければ、この小説が生きることはありません。この小説で、マルコさんは自然で優れたベトナム語能力を演出しています。マルコさんはベトナム語をマスターしたと言えます。この小説を読むと心地がよくなります。どんな作家もできるものではないと思います」
これまでハノイを題材にした多くの自叙伝や小説が出版されましたが、ヨーロッパの若い男性がハノイについて物語る話は読者に格別な体験をもたらしています。この本の魅力はハノイに対する作家の愛情にあると言えます。今後の計画について、マルコさんは次のように語りました。
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「 今年、私は“奇人の私にチャーレンジする”という小説を執筆し、もうすぐ完成します。この小説は外国人の目で見たハノイの他の姿を描き出しています」
マルコさんの小説は読者にハノイについての他の見方をもたらしています。また、マルコさんはハノイを始め、ベトナムの国土と人々を理解するため取り組んでいる外国人に原動力を作り出しています。
以上、あるセルビア人の作家のハノイへの愛についてお伝えしました。では、今日のこの時間はこのへんで失礼します。