(VOVWORLD) - サッカーボールを使いパフォーマンスを行なうフリースタイルフットボールがベトナムで流行っており、ベトナムはアジアのトップに立っています。
ベトナムが国際社会への参入を進めている背景の中で、近年、世界の新しいスポーツやパフォーマンス、エンターテインメントなどがベトナムに伝わっており、若者に人気があります。その中で、サッカーボールを使いパフォーマンスを行なうフリースタイルフットボールがベトナムで流行っており、ベトナムはアジアのトップに立っています。
フリースタイルフットボールとは、リフティングやドリブルなどのサッカーの技術を飛躍させて自由な発想で楽しめる新しいスポーツです。また、音楽に乗せてのパフォーマンスや、その他の様々な文化・芸術との交流により、やる側だけでなく、観る側も楽しめるエンターテインメントでもあります。立った状態で足技を行うエアムーブ、座った状態でボールを扱うシッティングムーブ、上半身でボールを扱うアッパームーブ、地面にボールが着いたまま扱うグランドムーブなど、パフォーマンスの幅は想像力次第で無限に広がります。元々は大道芸の一つであり、ショーケースとして発展してきましたが、近年は各地で大会が行われるなど競技としての面も強くなっています。審査基準や、手の使用の可否や、道具の使用の可否などのレギュレーションは各大会によって違います。
サッカーボールを用いた足技は古くから存在しましたが、それがフリースタイルフットボールとして世界に広まりはじめたきっかけとなったのはナイキが2003年頃に始めたキャンペーンでした。同年に世界規模の初の大会も行われました。ベトナムでは、サッカーボールを用いて足技を練習した人は20年前にいましたが、「アラウンド・ザ・ワールド」というフリースタイルフットボールクラブが2008年に設立されてから、このスポーツは本格的に誕生しました。
グエン・ホアイ・ナムさん |
「アラウンド・ザ・ワールド」の創設者は、世界的にも有名なプレイヤーグエン・ホアイ・ナムさん(30歳)です。アイルランドで生まれ育ったナムさんは、子供の頃からプロのサッカー選手になる夢を持っていましたが、2001年にフリースタイルフットボールのパフォーマンスのビデオを見たことをきっかけに、このスポーツの練習を始めました。2008年にパリで行われた世界規模の大会で優勝した後、ベトナムに戻ってフリースタイルフットボールを普及させることにしました。同年、「アラウンド・ザ・ワールド」クラブは「ハノイフリースタイルコンテスト」というベトナム初の大会を行いました。
このクラブは最初、10人のメンバーだけでしたが、現在、ハノイ、ホーチミン、ダナンの3大都市を中心に、多くの地方でネットワークを広げ、大勢います。メンバーの一人グエン・チエン・タンさんの話です。
(テープ)
「練習すればするほど好きになっています。このスポーツは、仕事や学習のストレス解消に役立つと思います。私は週に、4、5回練習し、それぞれは1時間半から2時間ぐらいです。私の目標は、プロ選手になることです。」
「アラウンド・ザ・ワールド」クラブは、クラスを開いたり、パフォーマンスを行ったりするなどフリースタイルフットボールの普及に力を入れています。クラブのクラスに参加する人は増えつつあり、クラブのパフォーマンスもマスメディアの注目を集めています。クラブの新メンバーゴ・トアン・タンさんは次のように話しました。
(テープ)
「クラブに入ってから、先輩とよく交流しています。先輩からいろいろな経験と技術を学んだほか、生活に関するアドバイスも受けました。」
「アラウンド・ザ・ワールド」クラブの開催の下、2013年、ベトナム初の全国大会が行われました。この大会はベトナムのフリースタイルフットボールの新たな発展段階を示したと評されました。それ以来、世界各国の大会で、ベトナムの選手は多くの賞を獲得してきました。現在、トゥンゲージさんや、グエン・ゴック・ファットさんなどは、アジアだけでなく、世界レベルのトップにも入っています。今年の11月にアメリカで行われる大規模な大会に参加するグエン・ゴック・ファットさんは次のように話しました。
(テープ)
「私たちは、ベトナムで多くの大会やイベントを行うため、支援者などを探しています。これらの大会やイベントを通じて、フリースタイルフットボールの愛好者が互いに交流しあって、自分の強みと弱点を認識するとともに、このスポーツに対する興味を芽生えさせることができると思います。」
「アラウンド・ザ・ワールド」クラブは、これからも、世界各国の選手との交流を拡大させ、ベトナムのフリースタイルフットボールのレベルアップを図ってゆく方針です。