(VOVWORLD) - ハノイには色んな博物館がありますが、その中で、国立自然博物館は歴史が短く、施設がまだ整備されていなかったものの、最近、ハノイ市民と観光客にとって魅力的な目的地となっています。
ベトナム国立自然博物館 |
ハノイのホアン・クォク・ベト通り18番地にある国立自然博物館はベトナム科学技術アカデミーに所属するものとして2006年に設立されましたが、2014年に正式にオープンしました。この博物館は、自然に関する標本や模型、写真などの収集・保存・評価・紹介・研究をするという機能をもつノンプロフィットの施設です。
ベトナム国立自然博物館の展示室の面積は300平方メートル以下で、決して広くないですが、36億年間の地球の命の成り立ちを再現する1400点の遺物が展示されており、観光客、特に子どもの多くを引き付けています。
「地球の進化の歴史」という展示室の中央にはベトナムの地形のジオラマがあります。他には、化石や爬虫類のアルコール漬け、様々な動物や魚類の剥製、骨格、昆虫標本、貝殻などが展示されています。そして、原始人から現代人までの骨格の進化を物語る模型もあります。特に、蝶の標本、アオムシから蝶になる過程のビデオが大ヒットです。展示スペースは、生命の起源、生命の歴史、そして現在の生命の物語という3つのテーマに分けられています。さらに、博物館には3D映画館があり、「地球の進化の歴史」を3D技術で楽しむことができます。
こうした国立自然博物館は、子どもたちに自然への興味を芽生えさせるところなので、学校の遠足先となっています。チャン・フン・ダオ高校の生徒グエン・ティ・ハさんは次のように話しました。
(テープ)
「自然博物館で身についた知識は面白くて役に立ちます。ここでは、今まで見たことのない標本を自分の目で見られるようになり、そして、古代に生きていた動物の化石を見て印象的です。」
一方、カウザイ中学校の生徒グエン・タイン・トゥアンさんは、昆虫の展示コーナーで、4億年前に生きていた昆虫の化石を含む多くの昆虫が生き生きと並べられる風景に心を奪われてきたと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「このような本物の蝶々を実際で見たことはないです。色とりどりの蝶々で、私の想像を超えた美しさです。また、多くの目新しい生物も見ることができました。これは、私の視野を広げるとても有益な遠足だと思います。」
博物館内の3D映画館 |
木曜から日曜までが入場無料の国立自然博物館は子どもを始め、市民に自然への興味と愛情を芽生えさせることを自らの使命としており、展示物の多様化や展示方法の刷新に力を入れています。同博物館のヴ・ヴァン・リエン副館長は次のように語りました。
(テープ)
「来場者は当博物館で地球の命の成り立ちを理解することができます。これを通じて、人々に自然を理解してもらうだけでなく、自然への愛情を芽生えさせるという効果があります。これは、環境保護への責任の始まりだと思います。」
現在、国立自然博物館は小規模ですが、政府はベトナム国立自然博物館の建設プロジェクトを承認しました。同プロジェクトでは、ハノイ郊外の用地32ヘクタールに、屋内展示エリア、国家的標本コレクション・常緑樹林・洞窟・岩石などの展示エリア、公園・庭園エリア、展示・学習エリア、研究センター、水族館、標本製作所などを建設します。国家レベルの自然博物館を建設することでベトナムにおける自然研究を推進すると共に、自然に関する展示を通じてベトナムの自然を多くの人に知ってもらい、自然環境保護に対する国民の意識を高めることが同プロジェクトの狙いです。