(VOVWORLD) - ベトナムは常に、傷病軍人や戦没者の遺族、英雄という称号を持つ母親など革命功労者の恩に報いることを政治的にも人文的にも重要な任務と見なしています。革命功労者の恩に報いる諸活動は、7月27日の傷病軍人・戦没者の日を機に行われるだけではなく、年中どこかで行われています。
革命功労者にプレゼントを手渡しているダオ・ゴック・ズン労働傷病軍人社会事業大臣 |
革命功労者とは戦没者の遺族をはじめ、英雄という称号を持つ母親、傷病軍人、枯葉剤による被害を受けた復員軍人、革命を支援してきた人々や、元青年突撃隊の隊員などです。戦争が長引いたベトナムでは、革命功労者の数は総人口の10%を占める920万人以上にのぼっています。こうした事態を前に、国は革命功労者に対する優遇政策の完備に力を入れており、これらの政策は革命功労者の恩に報いる諸活動の法的基盤となっています。国と社会全体は革命功労者の物心両面の生活水準の向上に関心を寄せています。革命功労者は補助金の他、健康ケア、住宅の改善、職業教育、雇用創出など、様々な優遇を受けています。
グエン・スアン・フック国家主席は、7月27日の傷病軍人・戦没者の日や9月2日の独立記念日、お正月にあたり、国は約1兆ベトナムドン(日本円で50億円)の資金で革命功労者にプレゼントを贈っていると述べ、次のように語りました。
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「党と国家は常に、傷病軍人や戦没者の遺族に特別な関心を寄せています。優遇政策の完備により、これらの人たちがより大きな支援を受け、中でも、英雄という称号を持つ母親たちは生涯、国に扶養されるようになりました。これからも、各レベルの関連省庁はこれを重要な任務と見なすべきです。7月27日の傷病軍人・戦没者の日は、この事業の大きな意義を再確認するチャンスです。」
革命功労者の恩に報いる活動は全国各地に広がっており、社会全体が積極的に参加しています。現在、多くの組織や個人は英雄という称号を持つ母親や戦没者の遺族を扶養したり、傷病軍人と戦没者の子どもに奨学金を供与したりしています。また、「革命功労者向けのチャリティハウスの建設」や「革命功労者の恩に報いる基金」、「革命功労者の世話をする地区」などの運動も多くの支援を受けています。1年間、国を含む社会全体から革命功労者の恩に報いる諸活動に充てられる資金は数十兆ベトナムドン(日本円で数千億円)にのぼっていると概算されています。これにより、革命功労者の生活は徐々に改善されています。ハノイに住む傷病軍人ファム・ディン・ティさんの話です。
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「党と国家の優遇政策により、我が家の生活はよくなっています。我が家と同様に、多くの革命功労者の家族も前より良い生活を送っていますよ。」
一方、ハノイに住む戦没者の奥さんであるド・ティ・ハインさんは次のように話しました。
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「毎月、国から160万ドンの補助金をもらっています。また、祝日やお正月などに、多くのプレゼントももらっています。こうした関心を受けて感動してますよ。」
国は、革命功労者の生活水準が地元の平均生活水準を上回るという目標を掲げています。この目標を実現させるため、優遇政策の完備を進めています。その中で、革命功労者優遇法改正案が2020年12月に国会に採択され、今年の7月1日に発効しました。労働傷病軍人社会事業省のレ・タン・ズン次官は次のように語りました。
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「最新の革命功労者優遇法には多くの新しい点があります。その中で、革命功労者の生活水準が地元の平均水準を上回るという目標が明記されています。そのため、これから、各地の革命功労者を分類し、貧しい状態にある人に集中して支援してゆきます。支援をするとき、これらの人たちが貧困状態から長期的で着実に抜け出すことは最も重要な課題です。」
革命功労者が貧困状態から長期的で着実に抜け出すためには、彼らに毎月補助金や手当を供与することではなく、彼らによい生計を立てられるように助けることが重要です。中部クアンチ省労働傷病軍人社会事業局のホアン・トゥアン・アイン副局長は次のように語りました。
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「革命功労者への優遇政策では、低金利の融資の提供や、職業訓練など彼らとその家族が自力で生計を立てることが重要な内容です。また、企業に革命功労者とその家族の雇用を働きかけるなど社会全体に革命功労者の恩に報いる活動への参加を奨励しています。」
革命功労者の恩に報いる諸活動はベトナム民族の良き伝統として社会全体の責任となっていると言えるでしょう。