(VOVWORLD) -北西部山岳地帯ラオカイ省シマカイ県カンカウ村を通る国道153号線沿いで、毎週の土曜日の朝、水牛を売り買いする大規模な定期市が開かれています。この市場には水牛を売買する人々だけでなく、各少数民族や観光客も多く訪れています。
ラオカイ省バクハー町から国道153号線に沿って30キロ行くとカンカウという水牛市場に着きます。この市場は空まで延々と続くような棚田に囲まれていて市場には少数民族の女性たちが自分の手で織った伝統的衣類から、森で採ったばかりのタケノコや農具など様々な品々が販売されています。
水牛を取引する場所は広い土地にあり、ラオカイ省のバクハー県、ムオンクオン県だけでなく、ハザン省のシンマン県、ホアン・スー・フィ県からの水牛もここで売られています。市場では田畑を耕すための水牛や肉をとるための肉牛など様々な種類の水牛が売られています。
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「この水牛は一頭4千万ドンで買ってもいいよ。
いや、5千万ドンだよ。
5千万ドンなら、買わないよ。
こんないい水牛は5千万ドンじゃないと売らないよ。」
水牛を買いに来た人々は気に入った水牛をきちんと選びます。何回も、水牛の定期市に行ってやっと買う人もいます。売る人も同じです。数回も市場に足を運んで、やっと水牛が売れる人もいます。ラオカイ省バクハー県ナホイ村から水牛を連れてきたルー・バン・ザオ( Lu Van Dao) さんは「水牛を取引するのは20年にもなっている
。一回の定期市で、10~20頭の水牛を取引できる。各少数民族の人々は子供の結婚や家の建築、バイクの購入など巨額のお金が必要な時、水牛を売ると明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「この1年間、新型コロナウイルス感染症の影響により、水牛の取引活動が落ち込んでいましたが、今年に入り、少し活発になってきました。この20年間ここで開かれていたすべての市場にきました。ここに住んでいる少数民族の人々にとって、水牛は農業生産に欠かせない存在と見なしており、大切にしていますが、お金が必要になった場合のみ、売ります。年の始めに、その少数民族の人々も田畑を耕すため、よく水牛を買いに行きます」
カンカウ水牛市場にはモン族やザオ族など少数民族の昔からの風俗習慣が維持されているので観光客を引き付けています。この定期市は毎週土曜日の朝6時から正午まで開かれますが、周辺にある各少数民族の共同体文化空間となってきました。
この市場には手織物を売るスペース、農業用具を売るスペース、食べ物を売るスペースなど様々なスペースに分けられますが、最も人気がある所は食べ物を売るスペースです。北部ハイズオン省からやってきたチャン・タイン・リンさんは次のように語りました。
(テープ)
「カンカウ市場はバクハー市場のように賑やかではありませんが、独特な雰囲気があります。私は水牛を買うつもりはないから、市場に行くのは伝統的民族衣装を身にまとっている地元の少数民族の女性たちを眺めたり、ここに売られている料理を味わったりするためです。朝から、蒸し挽きトウモロコシであるメン・メン(Mèn mén)や、牛・犬・豚・馬等の肉・骨・内臓で作ったシチュータン・コー(Thắng cố)など多くの料理を食べてみました。」
地元の各少数民族の人々にとって、カンカウ市場は伝統的価値が保存されているので、地元の人々が互いに交流する場所となっています。