(VOVWORLD) -この2か所の社は北部国境地帯の開墾と外国侵略者との戦いに対する先人の功労を裏付けるものです。
東北部クアンニン省バーチェ県を流れるバーチェ川の河口で、お爺さんの社とお婆さんの社があります。この2か所の社は北部国境地帯の開墾と外国侵略者との戦いに対する先人の功労を裏付けるものです。これはまた、クアンニン省の住民がよく参拝に訪れる場所であるだけでなく、観光客を魅了する所でもあります。
オン社(写真:baoquangninh.com.vn) |
1285年2月、当時の陳朝時代の王様は北方からの侵略者である元軍に対抗するため、バーチエ川に赴き、敵軍の力を視察しました。その視察に同行したのがレ・バー・ドゥクという将軍です。お爺さんの社とお婆さんの社の遺跡管理委員会のホアン・ミン・ドゥク委員長は次のように語りました。
(テープ)
「お爺さんの社とお婆さんの社の遺跡地区は軍事面で戦略的な位置にあり、軍を隠して、訓練を行う場所です。当時、元軍の勢力が強いので、陳朝の王様は軍を撤退し、この地区で軍を訓練して、攻撃するチャンスを待っていました。ここで軍を訓練するのはレ・バー・ドゥクという将軍です」
村の高齢者によりますと、お爺さんの社はレ・バー・ドゥク将軍を祀るため建立されたものです。南西向きのこの社は昔、敷地の面積がわずか50平方メートルでしたが、戦争や歳月と共に破壊されたから、2015年に改修され、現在の面積は500平方メートルにのぼっています。
お爺さんの社の向こうにはお婆さんの社があります。お婆さんの社は林の聖母を祀るものです。伝説によりますと、林の聖母はタンビエン山の聖人と18世フン王の王女ミーヌオンの娘です。林の聖母は山岳地帯の人々に稲や果樹を栽培したり、家屋を建設したり、薬草を取ったりするなどを教えてくれました。
そのため、毎年旧暦3月1日、地元の人々はお爺さんの社とお婆さんの社の祭りを開催します。祭りでは水の神輿や魚の放生会の他、様々な民間遊戯が行われます。バーチエ県ナムソン村に住んでいる住民の一人ルック・マイ・フオンさんは次のように語りました。
(テープ)
「毎月の旧暦1日と満月に当たる15日に、地元の人々はここに来て、線香を手向け、家族全員の健康や成功、幸運を祈ります。ここでお爺さんの社とお婆さんの社があることを誇りに思っています」
バー社(写真: thethaovanhoa.vn) |
近年、この遺跡は観光客を魅了する場所となっています。ここに来ると、観光客は船に乗ってバーチェ川を眺める他、3000ヘクタールにわたるティンイエン県にあるドンルイというマングローブ林を見学できます。ハノイからの観光客レ・ブー・ハンさんは次のように語りました。
(テープ)
「この遺跡に来るのは今回が初めてです。ここでの雰囲気は穏やかです。ここには多数民族キン族だけでなく、各少数民族の人々も多く住んでいます。また、バーチエ川を始め、ここでの美しい山河の風景に深い印象を持っています。今日、お爺さんの社とお婆さんの社を訪れて、風景を眺めながら、参拝に行きます」
バーチエ県文化情報課のハー・ゴック・トウン課長は「お爺さんの社とお婆さんの社を訪れる観光客の数は年平均、およそ1万人にのぼっている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「700年の歴史を持つお爺さんの社とお婆さんの社の遺跡はクアンニン省にある他の神社や寺院、歴史遺跡を結ぶ心霊観光ツアーの一つとなります。これは観光客の需要に応えることでしょう」
2020年の末、お爺さんの社とお婆さんの社の遺跡は国家の歴史遺跡として認定されました。この遺跡は人々の参拝の目的地であるだけでなく、国の最北端にあるベトナムの領有権を示す場所でもあります。