ディエンビエン省の博物館

 近年、同省を訪れてかつての戦場を見学する観光客の伸び率は二桁になっています。2018年の観光客数は約70万人に達しましたが、2019年は85万人が訪れ、観光からの収益は5800万ドルに達するという目標が出されています。

この目標を達成するため、ディンビエン省は、観光用のインフラ整備や、観光PR、観光ツアーの多様化などに力を進めています。また、北西部山岳地帯独特の花で春に咲く「バン」という名を冠にした「バンの花祭り」をディエンビエン省の観光の目玉の一つにする方針です。

ディエンビエン省人民委員会のムア・ア・ソン委員長は次のように語りました。

（テープ）

「バンの花祭りは、ディエンビエン省の祭りですが、北西部独特の祭りにしたいと思います。そのため、北西部の各省と連携して、バン花祭りを行う必要があります。そして、ディエンビエン省と国境を接しているラオスの幾つかの国境地帯と連携してバンの花祭りを行うことも重要です。」

そして、ディエンビエン省は、少数民族の豊かな文化を観光発展の原動力とみなしており、ホームステイや、少数民族の居住地を訪れるツアーの開発に力を入れています。さらに、同省は、観光分野の人材育成も重視しています。

ディエンビエン省文化スポーツ観光局のファム・ベト・ズン局長は次のように語りました。

（テープ）

「まず、地元の人材育成を進めることです。人材育成について観光分野に携わる企業の協力も得ています。地元の人ですから、その地の美しさを最大限に生かすことができると思います。その一方で、ほかの地方で充実した訓練を受けた人材も誘致しています。」

北西部の観光発展において先頭に立っているディエンビエン省は近年、大規模な見本市や会議などの開催地としても選ばれており、北西部の経済中心となっています。

ディエンビエン省商工局のヴ・ホン・ソン局長は次のように語りました。

（テープ）

「ディエンビエン省は、地元の経済発展を加速させるために、工業と商業分野をはじめ、多くの分野に携わる国内外の投資家を誘致しています。また、ディエンビエン省の商品を国内外の市場に出荷する方針です。」

かつて戦場であったディエンビエンは現在、北西部の経済中心として毎日のように変貌していると言えるでしょう。