フンイエン省の住民に高い収入をもたらす「ドンタオ」鶏
(VOVWORLD) -「ドンタオ」鶏は、脚の形がユニークなベトナムの珍しい鶏です。北部フンイエン省コアイチャウ県ドンタオ村は「ドンタオ」鶏の原産地としてよく知られています。
写真提供:「Dân Việt」紙 |
通常の鶏は孵化してから約6か月後に2キロ程の大きさになりますが、ドンタオ鶏は8か月ほどかかって3キロ~6キロの大きさになります。特に、この鶏の脚は、丸く膨らんで、赤みがかったうろこのような皮膚で覆われています。
ドンタオ鶏を飼育するのは難しく、手間がかかりますが、最近では、様々な方法で飼育されており、純血種の鶏が大量に繁殖し、全国の市場に出荷され、養鶏農家に高い経済価値をもたらしています。
この数年間、フンイエン省における養鶏は地元の経済発展に重要な役割を果たしています。多くの農家は、養鶏規模の拡大に投資を行いました。また、農家が連携して鶏を育てたり、畜産共同組合が成立されています。300羽以下の小規模な養鶏場が急減する一方、700羽~1000羽程度規模の養鶏場が急増しています。
現在、ドンタオ村では、2500世帯余りが70羽余りの肉用と雛の「ドンタオ」鶏を飼育しています。毎年、1世帯の農家は、約4200ドル~8400ドルの収益を得ています。「ドンタオ」鶏の飼育は、村人の生活改善に貢献しています。
写真提供:「Dân Việt」紙 |
養鶏農家の話をお聴きください。
(テープ)
「農民にとって、『ドンタオ』鶏の飼育は農作業よりも高い収入が得られます」
「我が家は、毎週、100羽余りの鶏を出荷しています。この鶏の飼育は、高い経済的価値をもたらしていますよ」
フンイエン省農業奨励センターは、持続可能な畜産開発を目指して、2022年4月に、バンラム県ラクダオ村、アンティ県ホンクアン村、キムドン県ギアザン村、およびミーハオ町ニャンホア区で、「ハイブリッド『ドンタオ』鶏の有機畜産」という試みを展開しています。この有機畜産は、製品の価値向上、安全性、環境衛生確保に繋がるとされています。
養鶏業者は、有機畜産が十分な利益とメリットをもたらしていると明らかにしました。鶏はスムーズに成長し、生存率は93%を超え、天候や疫病に左右されることもないということです。養鶏業者は次のように明らかにしました。
(テープ)
「有機畜産では、鶏は丈夫で、生産性も向上しました。ですから、私たちは、経済発展のために、こうした畜産方法を互いに共有しています」
2020年3月にフンイエン省人民委員会は、競争力のある主力農業製品を選定し、有機農業生産地の建設と農業製品の消費を結び付ける目的で、疫病対策、食品安全、環境保護につながる「2030年を見据えた2020年~2025年期のバイオセーフティ畜産、VietGAP=ベトナム安全農産物生産基準を満たす畜産の開発」というプロジェクトを批准しました。これに基づき、2025年までに、1千万羽~1100万羽の家禽が飼育され、そのうちの55%~60%が「ドンタオ」鶏で占められるように取り組みます。
フンイエン省行政当局の指導者は、有機畜産の傍ら、農産物の消費にも注力しています。これに基づき、関連機関は、「ドンタオ」鶏を含む農産物の消費市場に配慮し、新しい消費チャンネルを開拓しなければなりません。これについて、フンイエン省人民委員会のグエン・フン・ナム副委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「デジタルプラットフォーム上で、広報、宣伝活動を推進し、共同組合、農場の電子商取引をサポートするほか、現地の農産物を多様化させ続けます。その一方で、国内各地の企業と省内の企業、共同組合、農場との取り引きを促進する方針です」
昔、「ドンタオ」鶏は王様に献上されていたものでした。今日、フンイエン省行政当局の正しい指導、科学技術の発展、市場へのアクセスの多様性などにより、「ドンタオ」鶏は、国内外で広く知られるようになり、農民に高い収入をもたらしています。