(VOVWORLD) - ベトナム人がいるいかなるところにもテトがあります。現在、130か国・地域に在留中のおよそ530万人のベトナム人はテトを楽しく迎えています。ベトナムのテトの文化は国境を超え、世界各国に広がっています。
韓国の首都ソウルは気温が下がっていますが、韓国在留ベトナム人による「故郷の春」というイベントの会場、ソウルガーデンホテルのグランドホールの雰囲気は温かく、参加者はいずれも歓喜しています。
テトの欠かせない料理の一つであるバインチュン=VOV |
(現場の音)
グランドホールのコーナーで、女性たちは、バインチュンと豚肉のソーセージを切って、大きな皿に並べています。
(テープ)
「気を付けてくださいね/大丈夫/これを縛って/これを上に置いて/これを巻いてね。テーブルに置いて下さい/ゴックさん、これを切りますか/はい、お願いします。2つの箱ですよ/数えます、15個ですか?そうですね/ああ、結構です」
「素晴らしい」というのは、参加者らが「故郷の春」について話す時に使われる言葉です。梅の花や、桃の花、ベトナムの伝統的なおせち料理などはベトナムのテトの雰囲気をかもし出しています。参加者の話です。
(テープ)
「『故郷の春』に参加するたび、ベトナムにいるように感じます。そして、ベトナム文化を誇りに思います。テトは特別ですね」
ホナム高等専門学校に留学中のベトナム人学生もテトを楽しく迎えている=VOV |
一方、ソウルから400キロ離れたクァンジュにあるホナム高等専門学校に留学中のベトナム人学生もテトを楽しく迎えています。
(現場の音)
学生は次のように話しています。
(テープ)
「大晦日に、ベトナムの伝統的なおせち料理を作ります。例えば、バインチュンや、焼き豚肉、豚ソーセージなどです。これらはスーパーでも売られていますが、自分で作ったものを食べると、故郷にいるような感じがします」
韓国人もベトナムのテトを楽しく迎えています。ベトナム人女性と結婚した韓国人のキム・ヨンヌンさんは、「韓国でもベトナムのテトはよく知られており、自分の娘もベトナム人女性の伝統的衣装アオザイをまとっている」と明らかにし、次のように話しています。
(テープ)
「ベトナムと韓国のお正月は似た点があります。これは皆が新しい年を始めるために準備することです。また、祖先への供養や、家族団らんなども同じです。文化的に親しみやすいですね」
「故郷のテト」イベントに参加する韓国在住ベトナム人コミュニティ=VOV |
(テープ)
(女の子) 新年あけまして、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、お叔父さんのご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。
(女性) この3年間、新型コロナにより、皆が大変でした。ご健康をお祈り申し上げます。
(女性) みんなのご健康、ご多幸、ご成功をお祈り申し上げます。
(女性) 家族のご多幸と一家団らんをお祈り申し上げます。
(同声) 新年明けましたおめでとうございます。
韓国だけでなく、ほかの国でも、ベトナム人はテトを楽しく迎えています。
(現場の音)
アメリカでも、テトを迎える雰囲気が溢れています。本日、西海岸に住むベトナム人モデルたちはファッションショーを行っています。彼らはモデルでありながら、デザイナーでもあります。紹介されているのは彼らがデザインしたものです。ベトナム人女性の伝統衣装アオザイはアメリカでのテトに楽しいひとときをもたらしています。
(テープ) VOXPOP
「アオザイを纏って、嬉しく思い、幸せを感じています。また、ベトナム人であることを誇りに思っています」
「アオザイを纏うと、民族の自尊心や、安定感、自信が高まりますね」
「テトが来るたびに感動します。母国から離れていますが、アオザイを身につけると、懐かしい気持ちになります。テトにはいつもアオザイを着ていますよ。こうすることで、故郷を近くに感じます」
国外在留ベトナム人にとって、テトは家族団らんをし、先祖を供養し、母国に思いをはせるだけでなく、海外の人々にテトを紹介するチャンスでもあります。イギリスに18年間在留しているホ・ハインさんは毎年テトに、隣人にベトナムの伝統的なおせち料理の作り方を紹介しています。ハインさんの隣人ルーイスさんは次のように話しています。
(テープ)
「この数年間、ベトナム人の家で、ベトナムのテトを楽しんできました。ベトナム料理はすごくおいしいですね。特に、揚げ春巻き大好きです。我が家は全員が大好きですよ。作ることもできます。ベトナム風漬物も作れますよ」
ベトナムの伝統を守るために、ハインさんは子供たちにテトのほか、ベトナムの風俗習慣を教えています。
(テープ)
「私はここに住み、子どもたちはここに生まれ育っていますが、ベトナムの伝統文化を大切にしています。子どもにベトナム文化を教えていますが、子どもたちがどこにいても母国の文化を守ってくれることを望んでいます」
ハインさんと同じく、日本に在留中のミン・グエットさんは忙しくても、お正月テトをベトナム風に迎えることを続けています。また、日本人のご主人の家族にベトナム文化を紹介しています。
(テープ)
「テトは故郷と母国を思い出します。ここにいても、先祖に供養するおせち料理を作ります。いつもご主人に『あなたは家長なので、私とともに祈願するよう』勧めています。これにより、奥さんの故郷の習慣を理解するといいます」
どこにいても、ベトナム人は母国に心を向けています。そして、伝統的なお正月テトを迎えることを通じて、愛国心、民族自尊心を養っています。
(現場の音)
伝統的なお正月の楽しみ方を通じて、ベトナム人は自国の文化を保存、その価値を発現しています。これはベトナムの国際社会への参入の促進にも貢献するでしょう。