国会の質疑応答は監視役割として重要な一部です。70年にわたる国会の歴史の中で質疑応答は大きく刷新され、最高権力機関としての国会の役割の発揮に重要な貢献をしてきました。
ベトナム国会は立法と国の重要な案件の決定、また、質疑応答を含む監視といった3つの重要な任務を果たしています。
初の民主的かつ率直な質疑応答
1946年10月31日の第1期国会第2回会議で初の民主的かつ率直な質疑応答が行なわれました。この日、会場となったハノイのオペラハウスは国会議員や市民で混み合っていました。国会議員らは国民を代表して、閣僚ら、特にホーチミン主席に対して80もの質問を出しました。
この質疑応答で医薬品の価格や質の管理、教科書不足など、国民の生活に関する様々な問題が取り上げられました。特筆すべきことは質疑応答は午後から始まり深夜過ぎまで行なわれたことです。歴史学者のズオン・チュン・クォク氏は次のように語りました。
(テープ)
「独立を勝ち取ったばかりの国家であり、質疑応答は民主的な空気に包まれていました。初の質疑応答にはホーチミン主席も臨みました。国会議員らは国の運命にかかわる適切な質問を出し、政治的知識と国事への関心を示しました。」
国会活動の現代化に向け、質疑応答を刷新
初の質疑応答後は長年の戦争により、質疑応答は中断されましたが、1987年~1992年の第8期国会で再開されました。また、1994年半ばに開催された第9期国会会議の質疑応答はラジオやテレビで中継され始めました。これは国会活動の公開と明確化に突破口を開いたとしています。
それ以来、質疑応答は国会会議に関する国民の第一の関心事となっています。こうした事情を踏まえ、第12期国会は第4回会議以来、質疑応答に関する決議を発表し、その中で質疑応答に参加した閣僚に対して実施すべきことと報告すべきことを明らかにしました。
国会議員は質問を出した際、問題をあくまで解決することを望む一方、閣僚は質問に応えた際、国会、国民に対する責任感と業務能力の向上への認識を芽生えさせなければなりません。これにより、国民は代表機関である国会の質疑応答を通じて、国家機関と最高指導者に対する監視を強めることができるようになります。第11期国会以来、それぞれの会議を前に数百もの質問が寄せられます。
ちなみに、第13期国会では質疑応答が大きく刷新されました。5、6名の閣僚だけでなく、全ての閣僚が質疑される可能性があります。また、質疑応答に臨む閣僚は質問を事前に知らされず、国会で直接に答えなければなりません。こうした刷新は国家活動の現代化に向けての前進の一歩となっています。
第13期国会のグエン・ハイン・フック事務局長は次のように語りました。
(テープ)
「第10回会議で質疑応答が刷新されました。国会議員らは全ての閣僚に対し、任期中、公約の実施状況について質問をすることができます。これはこれまでの国会活動の成功に続くものだと思います。」
国会の質疑応答の内容と様式の刷新は国会活動の効果向上、国民を代表する権力機関としての国会の地位と役割の発揮に寄与するとみられます。