(VOVWORLD) - 9日、インドネシアで、「ASEANの地位:成長の中心地(ASEAN Matters: Epicentrum of Growth)」をテーマにした第42回ASEAN=東南アジア諸国連合首脳会議が正式に開幕しました。
今回の会議は、複雑に推移する地域と世界情勢を背景に、ASEANを成長の中心地・原動力にするという加盟諸国の願望と努力を示すものとみられています。
会議で、ASEAN諸国の首脳らは、連合内の問題だけでなく、全世界の関心事となった問題とその解決策なども討議する予定です。これを通じて、ASEANの役割、威信、責任の再確認を行います。
8日、ASEANサミットが開かれるインドネシア中部ラブアンバジョで警戒する兵士=ロイター |
持続性を高めるという方向に沿った経済回復に関する決意
今回のASEANサミットは、世界経済が多大な困難やエネルギー・食糧危機などに直面している背景の中で開催されています。これらの要素はASEAN諸国の経済に大きな影響を与えています。したがって、経済回復・発展は主要議題となります。今回の新しい点は、ASEAN諸国の首脳らと経済界を含む各界の代表との多様な対話が行われます。これらの対話で、ASEAN共同体構築プロセスに関する問題や、経済問題などが討論される見通しです。
第42回ASEAN首脳会議では、政治・安全保障・経済・文化・社会に関する多くの文書が採択されます。具体的には、これらの文書は財政・金融の安定維持や、エネルギー安全保障、地域内の成長促進などASEANの優先課題に関わるものです。会議の議事日程には、デジタル経済開発や、気候変動への対応のほか、インド太平洋に関するASEANのビジョンや、航海、連結性、持続可能な開発目標などもあるということです。
ASEANの中核的な役割の維持
ASEAN2023の議長国インドネシアは成長という問題を重視しています。同国はASEANを地域と世界の成長の中心地にする決意です。今年の優先課題を通じて、インドネシアは連合の中心的役割の向上を目指しています。
実際、ASEANは日増しに世界各国の注目を集めています。多くのパートナーはASEANとの関係を格上げし、ASEANがリードするメカニズムに参加の意向をもっています。したがって、ASEANは地位が引き続き高まっており、EU=欧州連合に次いで成功をあげる第2の地域協力機構とみられています。
これまで、ASEAN外の96か国はASEAN担当大使を任命してきました。また、ASEANは11か国とのパートナーシップを結び、その中に2つの全面的・戦略的パートナーや、8つの戦略的パートナーもあります。諸大国もインド太平洋戦略においてASEANを優先対象として重視し、その中心的な役割を高く評価しています。同時に、ASEANは地域内の経済開発事業の主な原動力とも評されています。
こうした中、第42回サミットで、ASEAN諸国は、「今後も団結と連携を緊密化させていく」方針を打ち出します。また、平和・安定・安全保障の確保、信頼醸成、対話促進などを優先課題とみなしています。これらを通じて、国際社会におけるASEANの役割や、影響力を高めようとしています。