2日間にわたるこのフォーラムは、今年ベトナムが主催する最大規模の多国間イベントの一つであり、ASEAN＝東南アジア諸国連合の協力促進と持続可能な発展に向けたベトナムの役割を示すものです。

25日と26日の2日間にわたり開催されるASEAN未来フォーラム2025

フォーラムには、ASEAN各国の高級指導者をはじめ、パートナー諸国、専門家、学者、国際機関、企業など500人を超える代表者が参加しました。ASEAN未来フォーラムがベトナムで開催されるのは今回が2回目であり、その起源は2023年9月の第43回ASEAN首脳会議におけるベトナム首相の提案にあります。昨年のフォーラムでの議論はASEAN外相の共同声明に記載されるなど、実際の政策に活かされました。

持続可能なASEANの発展に向けた対話の場

「変動する世界における団結で、包括的かつ自立したASEANの構築」というテーマのもと、フォーラムではASEANの中核的価値について議論が交わされました。特に、「自立」という概念は、ASEAN協力戦略やASEAN共同体ビジョン2045においてますます重要視されており、「包摂性」はASEAN憲章の基本原則として位置づけられ、ルールに基づいた透明性のある地域構造の形成を目指す新たなアプローチへと発展しています。

ASEANのカオ・キム・ホン事務総長（写真：TTXVN）

ASEANのカオ・キム・ホン事務総長は、ASEANの未来に向けた政策提言の場として、フォーラムの重要性を強調し、次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムはASEANの発展ロードマップに対して長期的なビジョンを持っています。未来フォーラムは、ASEANが2045年の共同体ビジョンを構築するうえで極めて重要な場です。ここでは建設的なアイデアが生まれ、ASEANが直面する課題と今後の方向性をより明確に特定することができます」

フォーラムでは、ASEANの役割や世界情勢に関する主要テーマに加え、新興技術のガバナンスや、包括的な安全保障の確保、AI＝人工知能がASEANの回復力に与える影響といった重要課題についても議論が交わされました。

ベトナム外交学院戦略研究所のチン・ミン・マイン所長代理も、技術分野に関する議論の重要性を強調し、次のように述べました。

（テープ）

「現在、テクノロジーは非常に大きな課題となっています。例えば、技術の適用性、価値、リスク管理など多くの側面があります。DeepSeekやChatGPTのような最先端のAIモデルが登場したことは、世界における技術競争の激化を示しています。技術に関する議論は極めて重要であり、これはベトナムの『科学技術・イノベーション・デジタルトランスフォーメーション促進に関する決議57号』にも合致しています」

ベトナム 地域対話への貢献を継続

ASEAN未来フォーラム2025は、ベトナムのASEAN加盟30周年、およびASEAN共同体形成10周年となり、ASEAN共同体ビジョン2045の採択が予定されている今年に開催され、重要な意義があります。このフォーラムは、ASEANの公式メカニズムを補完するプラットフォームとして、政府が戦略的政策を提示し、多様な関係者の意見を取り入れ、地域の課題を特定し、適切な解決策を導き出す場となっています。

ASEAN未来フォーラム2025は、地域協力を促進するうえでのベトナムの主導的役割を再確認する場となりました。多次元的な対話の枠組みを提供することで、ASEAN共同体の持続可能な発展に向けた重要なイニシアティブを生み出すことが期待されています。