(VOVWORLD) - 人類が大切にしている価値の中で、人権の価値は他の価値のゴールであり、他の価値を促進する原動力でもあります。人権擁護の推進が世界の必須の動向となっている中で、人権教育と啓発はグローバルな課題となっています。ベトナムもその動きに沿って、人権教育と啓発の推進に力を入れています。
国連の「人権教育のための世界計画」では、人権教育について「知識の共有、技術の伝達、 および態度の形成を通じ、人権という普遍的文化を構築するために行う」ものとし、その要素として①人権および人権保護の仕組みを学び、日常生活で用いる技術を身に付けること、 ②価値を発展させ、人権擁護の姿勢及び行動を強化すること、③人権を保護し促進する行動をとることが、含まれるものとしています。
そして、国連のこの計画は「人権教育の目的を達成するためには、まず、人権や人権擁護に関する基本的な知識を確実に学び、 その内容と意義についての知的理解を徹底し、深化することが必要となる。また、人権が持つ価値や重要性を直感的に感受し、それを共感的に受けとめるような感性や感覚、すなわち人権感覚 を育成することが併せて必要となる。さらに、こうした知的理解と人権感覚を基盤として、自分と他者との人権擁護を実践しようとする意識、意欲や態度を向上させること、そしてその意欲や 態度を実際の行為に結び付ける実践力や行動力を育成することが求められる」と明記しています。
ベトナムでは、「人権という普遍的文化をベトナムにおいて構築すること」を目標としています。 この目標を達成するために、人権尊重を日常生活の習慣として身に付け、実践できるという意識が、社会全体および日常生活の隅々にまで浸透した人権感覚の豊かな社会の実現を目指して、融和化させる教育の中で積み上げられてきた成果と手法への評価を踏まえ、学校教育と社会教育が連携・協働して人権教育を推進することとしています。
実際、人権教育はすべてのレベルにおいて様々な形で行われています。それぞれの対象者にふさわしい人権教育に関する資料が作成され、普及されてきました。中でも、人権教育は学校のカリキュラムに取り入れられ、授業はもちろん、課外活動でも展開されています。今後も、これまでの取組の成果と課題を明らかにしながら、高度情報化の進展、グローバル化による多様な文化や価値観との共生なども踏まえて人権教育を推進するとしています。
ベトナムは社会主義的法治国家を構築するために、人権擁護を最も重要な要素の一つと見なしています。そのため、今後も人権教育への投資をさらに強化する方針です。