UNDPが1990年から導入し、定期的に公表しているHDIは、各国の経済・社会開発の質を測る総合指標の一つです。 

この30年で約50%上昇

ベトナムでは長年にわたり人間開発が発展戦略の中心に置かれており、それが良い結果をもたらしてきました。UNDPの報告書によりますと、ベトナムのHDIは継続的に改善され、1990年の0.493から2022年には0.726へと約50%上昇しました。1990年代のHDI導入時にはベトナムはランキングの最下位でしたが、この30年間の進歩により、今回の2022年データに基づくランキングでは193の国と地域の中で107位に浮上しました。 

UNDPによりますと、ベトナムの順位が上がった理由は、新型コロナによるパンデミック期間中も経済成長を維持できたためです。2022年には高い成長率を記録し、それが人間開発ランキングの上昇につながりました。また、中等教育の就学率と健康指標をはじめ、教育水準と平均寿命に関する他の指標も継続して改善されました。ベトナムの進歩について、ベトナム常駐国連のコーディネーター ポーリン・タメシス氏は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムの経済成長、貧困削減、社会指標の改善は本当に賞賛に値します。ベトナムは人間開発の重要な進歩を遂げてきました。2019年以降、ベトナムは高い人間開発指数を持つ国と認められています。多次元的な貧困率は、2016年の9%から2022年には3.6%に大幅に低下しました。これは人々が長生きでより健康になったことを意味する非常に印象的な改善で、平均寿命は73.6歳に達し、医療保険加入率は92%に上りました。2022年のベトナムの失業率は2.32%まで下がり、持続可能な開発目標を達成することができました」 

ポーリン・タメシス氏

人間開発 国家発展戦略の中心課題に 

ベトナム共産党の指導理念においても、発展における人的要素の役割が常に重視されています。

社会主義への過渡期における国家建設の綱領において、ベトナム共産党は「社会政策の大きな方向性は、市民の権利・義務の公平・平等を確保する上で人的要素を発揮させること、経済成長と社会的進歩、物質生活と精神生活、当面のニーズと長期的利益、個人と集団・社会コミュニティをうまく組み合わせることである」と明確に示しました。

ドイモイ(刷新)事業の中で、ベトナムの党と国家は、人間を発展政策の中心に置くこと、国民の幸福が最高の目標であることを確認し、すべての発展方針や政策は、人間から出発し、人間中心であるべきだとしています。

2021年の第13回党大会の文書でも「国民は刷新事業、国家建設と防衛事業の主体であり、すべての方針と政策は国民の生活、願望、権利、正当な利益から出発し、国民の幸福と安寧を目指すものでなければならない」と再確認されました。 

先ほどのベトナム常駐国連のコーディネーター ポーリン・タメシス氏は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムは、イノベーション主導型の成長モデル、雇用・社会保障・医療・教育・文化へのアクセスの確保による誰一人取り残さない、公正なエネルギー転換、生物多様性と資源の保護、デジタルトランスフォーメーションなどの分野への投資をコミットしています。UNDPはベトナム政府の取り組み、特に持続可能な開発目標達成のための国家行動計画を継続して支援していきます」 

人間開発は常にベトナムの発展政策の中心的課題です。人間開発における国際的な評価は、ベトナムの党と国家の人間中心の政策の効果を明確に示しています。