(VOVWORLD) - 2019年1月、UPR=国連人権理事会の普遍的定期的審査制度の第3回作業グループは、UPRに関するベトナムの国家報告書を承認しまた。ベトナムはUPRで出された13の勧告を承諾し、これらの勧告は、教育・文化・宗教・経済社会などの分野における少数民族の基本的権利の確保に集中するものです。
当局が少数民族の人々にプレゼントを手渡しています。 |
それ以来、ベトナムはこれらの勧告を実現させるためにいろいろな措置を講じています。その中で、教育に関する少数民族の基本的権利の確保に関する勧告の実現は著しい成果を収めてきました。実際、ベトナムは教育の発展を最も重要な国策の一つと見なしており、教育に大きな投資を行っています。その中で、少数民族居住地や山間部、離島などの教育への投資を重要視しています。これにより、少数民族の多くが居住している省を含む全国の各省・市は小学校と中学校の義務化を完成しました。
また、少数民族の居住地で少数民族の言語を取り入れる学校が増えつつあります。これまで、モン族、チャム族、クメール族、ザライ族、バナ族、エデ族の6つの言語が21の省と市の学校の授業に取り入れられており、これらの言語を勉強している生徒の数は18万5千人です。また、他の6つの言語も試験的に取り入れられています。少数民族居住地で働ている公務員に少数民族の言語を教えることも進められています。
そして、少数民族出身の生徒を対象とする全寮制の学校システムが整備されました。現在、これらの学校に在学している生徒の数は18万5千人に達しています。
少数民族出身の生徒を対象とする全寮制の学校の他、国は少数民族居住地で教育施設を含むインフラ整備に巨額の投資を行っています。これにより、少数民族居住地では教育施設はかなり充実されました。
ベトナムは、UPRで出された勧告に従って少数民族の文化の保存と開発に関心を寄せいています。これまで、少数民族居住地では、国の特別遺跡が4カ所、国の歴史文化遺跡が8カ所認められました。また、少数民族出身の職人559人が「優秀職人」として認定されました。そして、少数民族の多くの祭りや行事が復活されたことは少数民族の伝統文化の保存に大きく役立っていると評されています。
さらに、少数民族居住地の多くは山間部や僻地にありますが、これまで、少数民族が居住している村の95%はラジオとテレビの電波を受信できるようになりました。これに伴って少数民族の言語で放送されるラジオとテレビの番組も充実されています。
ベトナム政府は少数民族居住地の医療システムの充実にも力を入れています。これにより、少数民族の人々も十分な医療サービスを受けられるようになりました。ベトナムは国連のミレニアム開発目標を達成した最初の国の一つですが、ミレニアム開発目標の中には、子どもの死亡率と栄養不足に関する指標があります。そのため、ベトナムがこの目標を早めに達成したことは少数民族居住地の子どもたちが十分な医療サービスを受けていることを示していると言えます。
現在、ベトナム政府は、2021年~2030年期の少数民族居住地と山間部の経済社会発展プログラムを精力的に進めています。このプログラムは少数民族居住地・山間部と平野部との発展の格差を是正し、その中で、少数民族の物心両面の生活を改善することが狙いです。これは、少数民族の基本的権利の確保につながることでしょう。