(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたようにファム・ミン・チン首相の招きに応え、シンガポールのリー・シエンロン首相夫妻は27日から29日までのベトナム公式訪問を行っています。
リー氏が首相としてベトナムを訪問するのはこれで5回目となり、シンガポールとベトナム、およびリー首相自身とベトナムとの親近感を示すものです。
1973年1月に「ベトナムにおける戦争の終結と平和回復に関する協定」(パリ和平協定)が締結された後、シンガポールはベトナム社会主義共和国の前身であるベトナム民主共和国と外交関係を樹立した最初の国の一つとなりました。また、シンガポールは10年前の2013年9月にベトナムとの戦略的パートナーシップを確立したASEAN=東南アジア諸国連合の最初の国でもあります。
多くの分野で互いの重要なパートナー
ベトナムとシンガポールの戦略的パートナーシップは両国の各世代の指導者や国民により培われたものです。両国のハイレベル代表団の往来は政治的信頼の強化や多分野での協力の拡大に弾みをつけてきました。現在、両国は貿易・投資から外交、国防・安全保障にわたって互いに重要なパートナーとなっています。その中で、貿易・投資協力は両国関係の重要な柱の一つであり、両国の貿易額は1997年の30億ドルから昨年90億ドル以上に増加しました。シンガポールはASEAN諸国の中でベトナムの4番目の貿易相手国となっています。
この3年間、シンガポールはベトナムにとって最大の投資国で、ほとんどの分野に投資を行っています。1996年、南部ビンズオン省で最初のベトナム・シンガポール工業団地が建設されましたが、現在、10の省・市でベトナム・シンガポール工業団地が存在し、投資総額170億ドルを超えたおよそ900件のプロジェクトが行われており、労働者およそ30万人に雇用を創出しています。ベトナム・シンガポール友好協会のブ・ビェット・ゴアン会長は次のように語りました。
(テープ) NGOAN
「ベトナムとシンガポールの間に共通投資枠組みが設立され、両国の経済協力のシンボルとなっています。現在、ベトナムには14か所のベトナム・シンガポール工業団地が建設され、今後、増設される見通しです。これは効果的な投資モデルであると評価されます」
SP・ベトナムの緊密なつながり
3日間にわたるリー・シエンロン首相の訪問は両国の外交関係樹立50周年、および戦略的パートナーシップの樹立10周年を記念する一連の活動の一環です。去る2月に行われたファム・ミン・チン首相のシンガポール訪問の後、行われたリー・シエン・ロン首相の今回のベトナム公式訪問はグリーン経済やデジタル経済などの分野における協力関係の拡大にチャンスをもたらすとしています。また、この訪問は両国の指導者の相互信頼の向上に貢献し、デジタルトランスフォーメーションやデジタル経済、クリーンエネルギー、再生可能エネルギー開発などの分野で締結された合意書を実現するものです。在ベトナムシンガポールのジャヤ・ラトナム大使は次のように語りました。
(テープ)
「2023年は両国の外交関係樹立50周年、および戦略的パートナーシップの確立10周年となります。この重要な期間に行われたリー・シエンロン首相のベトナム訪問は過去を振り返り、未来の協力関係を築くチャンスとなるものです。両国は共通の課題の解決、中でもデジタルトランスフォーメーションや気候変動対応などで力を合わせる姿勢を固めました」
リー首相は「シンガポールとベトナムは同じ戦略的ビジョンを持って、政治的信頼が高く、経済協力が力強く発展し、新たな分野で協力するチャンスが多くある」と強調しました。リー首相の今回の訪問は両国の戦略的パートナーシップの促進に貢献するものと期待されています。