(VOVWORLD) - この数日、ベトナム全国各地で、新暦2023年に当たる仏歴(仏滅紀元)2567年の灌仏会に関わる様々な活動が活発に行われています。これらの活動はベトナム仏教の発展と国際社会への深い参入を示すものとみられています。
灌仏会(かんぶつえ)は釈迦の誕生を祝う仏教行事であり、今年、ベトナムでは5月25日から6月2日に行われます。
活発な記念活動
中部ゲアン省での灌仏会(写真:仏教協会) |
今年の灌仏会に当たり、去る4月26日、南部カントー市で、ベトナムの少数民族クメール族の南宗仏教の学院の落成式と南宗仏教独特の行事が盛大に行われ、国内外の僧侶合わせて3000人や、仏教徒多数が参列しました。党や、国家、政府、祖国戦線、ベトナム仏教教会中央委員会の支援を受け、南宗仏教の学院の建設工事が2017年から6.7ヘクタールの敷地で開始されました。
この学院は僧侶を育成するとともに、南宗仏教の重要な行事を行う場所ともなります。これは南宗仏教を含めベトナム仏教の発展に大きく貢献するものとみられています。ベトナム仏教教会の最高機関である証明評議会の法主を務めるティック・チ・クアン和上は次のように話しました。
(テープ)
「短時間だけで、このように立派な宗教施設を建設できましたね。南宗仏教の学院は西南部地域の僧侶を育成するだけでなく、ほかの国々の仏教との絆を結ぶこともできると期待しております。僧侶の英語能力を高めることができれば、ベトナム仏教と世界各国の仏教との関係が強化されるでしょう。これは仏教と国に良い結果をもたらします」
一方、中部トゥアティエンフエ省や、北部クアンニン省など多くの地方で、様々な記念活動が活発に行われています。例えば、仏像を水で洗い清める儀式や、灯篭流し、仏像を渡御する儀式、国の繁栄と国民の幸福を祈る儀式、仏教に関する展示会、国のために身を捧げた英雄烈士に線香を手向ける儀式、尼僧のもとを訪れプレゼントを寄贈する活動などです。これらは国連ウェーサーカ祭を祝う活動の一環ともなりました。
国際社会への仏教の広範かつ深い参入
ベトナムは国内だけでなく、海外でも灌仏会を盛大に行いました。ことしの灌仏会に当たり、今月3日から7日に、スリランカの首都コロンボで、在スリランカベトナム大使館はスリランカ在留ベトナム人共同体と連携して、ベトナム仏教と灌仏会に関する展示会を開催し、スリランカと世界の人々に対し、ベトナム仏教の伝統や、発展の道のり、国の建設防衛事業への貢献などを紹介しました。この機に、ベトナム仏教とスリランカ仏教との交流活動も行われました。
海外での活動を通じて、世界の人々はベトナムに関する理解を深めることができると評されています。こうした中、ベトナムは、「今後も、仏教を含め各宗教の国際協力と国際社会への参入を奨励していく」方針を打ち出しています。
外務省のファム・トゥ・ハン副報道官は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは多民族・多宗教国家であり、宗教と信仰の有無に関する国民の自由権を尊重・保護する政策を一貫して実施しています。これは憲法と法律に規定され、そして、様々な政策で具体化されています」
ことしの灌仏会に関わる宗教・信仰活動は来週末まで全国規模で行われます。これらはベトナム国民の宗教・信仰・精神生活の需要を満たすだけでなく、ベトナム文化の美しさを世界に紹介することにも貢献するでしょう。