ベトナムとマレーシア 戦略的パートナシップを促進

(VOVWORLD) -今年がベトナムとマレーシアの外交関係樹立50周年を記念する年であることから、この訪問は特別な意義を持ち、両国間の政治的信頼の醸成、多面的協力の強化に繋がるチャンスであるとされています。
ベトナムとマレーシア 戦略的パートナシップを促進 - ảnh 1チン首相(右)は、インドネシアでの第42回ASEAN首脳会議に合わせて、イブラヒム首相と会談した。

ファム・ミン・チン首相の招きに応え、マレーシア のアンワル・イブラヒム首相夫妻は、7月20日から2日間のベトナム公式訪問を行います。今年がベトナムとマレーシアの外交関係樹立50周年を記念する年であることから、この訪問は特別な意義を持ち、両国間の政治的信頼の醸成、多面的協力の強化に繋がるチャンスであるとされています。

今回の訪問は、アンワル・イブラヒム首相が2022年12月に就任して以来、初のベトナム公式訪問となります。

良好に発展している戦略的パートナシップ

1973年3月30日に外交関係を樹立して以来、ベトナムとマレーシアとの関係は着実に発展してきました。両国の政党や、国家、政府、国会の各レベルの代表団による相互訪問、および、草の根交流などが頻繁に行われるとともに、二国間の協力メカニズムを維持しています。

両国関係について、在マレーシアベトナム大使館のグエン・ゴック・アン臨時大使は次のように評価しています。

(テープ)

「両国が戦略的パートナーシップを樹立した2015年は両国関係にとって特別に重要な節目の一つです。現在、ベトナムはASEAN=東南アジア諸国連合において、マレーシアの唯一の戦略的パートナーとなっています。両国間の戦略的パートナーシップは、両国関係の広範な発展、政治的信頼を示すと同時に、多くの分野における広範かつ包括的な協力関係に新たなページを切り開きました」

経済協力に関して、両国間の貿易取引額は増加しつつあります。2022年、双方の貿易取引総額は148億ドルに達し、2021年と比べおよそ18%増となりました。現在、マレーシアはASEANにおけるベトナムの貿易相手国の中で、2位に立っています。また、マレーシアの各企業はベトナムで約130億ドル相当の700件あまりの投資プロジェクトを実施し、ベトナムに投資している国々の中で、10位になっています。一方、ベトナムはマレーシアにおいて、およそ8億6000万ドル相当の24件の投資プロジェクトを実施し、ベトナムが進出している80カ国・地域の中で9位に立っています。

安全保障分野で、両国は各レベル代表団の交換を行っています。ベトナムのトー・ラム公安大臣が2020年2月にマレーシアを訪問したことはそのハイライトとなっています。そのほか、双方はテロや、サイバー犯罪、越境犯罪の予防対策に関する情報共有を強化しています。

二国間協力の展望

アンワル・イブラヒム首相による今回のベトナム公式訪問にあたり、両国の指導者らは、政治や、国防・安全保障、経済、貿易、投資、労働、観光、草の根交流などの分野における包括的な協力措置について協議すると同時に、ハラール食品産業、デジタルトランスフォーメーション、デジタル経済、ハイテク農業など潜在力のある分野へ協力を拡大する方策を模索することになります。これらは、2021年~2025年期のベトナム・マレーシア戦略的パートナシップに関する行動計画の履行に新しい推進力を作り出すと期待されています。

さらに、両国の指導者らは、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題や、海洋経済開発での協力をはじめ、ともに関心を持っている国際問題についても意見交換し、国際場裏における連携強化策について話し合う見通しです。

今年3月に行われたベトナム・マレーシア外交関係樹立50周年記念式典に当たり、マレーシアのアブドゥル・カディル外相は記者団のインタビューに対し、両国関係の良好な発展に喜びの意を表明するとともに、「マレーシアは、両国の社会経済開発の目標達成を目指して、戦略的パートナシップの強化に尽力していくと確約する」と明らかにしました。こうした中、アンワル・イブラヒム首相の今回のベトナム公式訪問はその確約を現実化させ、両国関係の深化に貢献するでしょう。

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