(VOVWORLD) - 12月2日、アメリカ国務省は、ベトナムを「宗教弾圧が特に懸念される国」のブラックリストに追加したと発表しました。この決定は、ベトナムの宗教信仰の実体を客観的に評価するものではありません。
2022年の浴仏会 |
多様な宗教活動
多宗教国家であるベトナムには、仏教やカトリック、プロテスタント、イスラム教など海外から伝わる宗教のほか、ホアハオやカオダイなどベトナムならではの宗教があります。現在、16の宗教が認められており、全宗教の施設は約3万か所あります。信者の総数は2650万人を超え、総人口の27%を占めています。その中で、仏教徒は1510万人と、最多で、それに次ぐのは710万人のカトリック教徒です。
全国各地では、年中様々な宗教活動が頻繁に行われ、仏教の灌仏会やキリスト教のクリスマスなど多くの活動が信者はもちろん、人民各層の文化行事となっています。また、ベトナム仏教協会が2005年に行った戦没者鎮魂儀式や、2005年に開催されたベトナムプロテスタント教会設立50周年記念式典は全国民の関心を集めました。
2022年のクリスマスにあたりハノイ大司教区を訪れたグエン・スアン・フック国家主席 |
宗教信仰の自由の確保
政府は、「法律に従って、国民の宗教・信仰に関わる自由権や、各宗教間の平等権を確保する」という終始一貫した政策を実施し、具体的な措置をとっています。したがって、ベトナムでは宗教活動が年々発展しています。毎年、8500を超える宗教行事が行われ、規模の大小、神社であるかどうかを問わず、多くの人が楽しんでいます。
政府はインフラ面でも、各宗教に有利な条件を提示しています。これまで、多くの宗教組織に対し、土地使用権証明書が発給されてきたことや、多くの宗教施設が新築・拡張・改修されてきたことなどはその証とみられています。国民が宗教・信仰活動に参加するために好ましい条件を整えるとともに、国家は各宗教に対し国際交流・協力の促進を奨励しています。
国際社会への参入が積極的に進められている中で、ベトナムは、アメリカや、EU=欧州連合などとの民主・人権・宗教に関する対話や、UPR=国連人権理事会の普遍的定期的審査制度に積極的に参加しています。同時に、ベトナムは頻繁に世界各国に自国での宗教・信仰の自由権の保護に関する情報を提供しています。また、ベトナム国内での宗教・信仰の自由権を視察する外国の議員代表団や、政府高官代表団、国際組織の代表団、作業部会も受け入れています。
ベトナム全国各地でキリスト教の信者がクリスマスを迎える中で、アメリカ国務省がベトナムを「宗教弾圧が特に懸念される国」のブラックリストに追加したことは遺憾であり、ベトナムの宗教信仰の実体を歪曲していると言えるでしょう。