(VOVWORLD) - 岸田 文雄首相、およびOECD=経済協力開発機構のマティアス・コーマン事務総長の招きに応え、2日、ブイ・タイン・ソン外相はOECD閣僚理事会への出席や、フランスへの実務訪問を開始しました。
この訪問は世界の動きに対するベトナムの主体的な対応、および「竹のような外交」政策を示すものです。「竹のような外交」は、強固な根、丈夫な幹、柔軟な枝を誇る竹のようなものであり、「不変を以て万変に応ず」という方針に従って作成されたとしています。
ユニークな外交政策
2016年、行われた第29回外交会議で、グエン・フー・チョン党書記長は、ベトナム独特の外交路線、いわゆる「竹のような外交」路線についてはじめて触れました。チョン書記長は、「竹は柔軟でありながらも強固で、暴風にも耐え、『勇敢・頑強・不屈』というベトナム民族の高貴な精神を示すものである」と強調しました。また、2021年12月、ハノイで開催された第13回党大会決議を展開する全国外交会議で、チョン書記長は、「90年間にわたり、ベトナム共産党の指導の下、ベトナムの外交部門は民族の文化色と伝統を継承し、世界各国の精華と進歩的な思想を選択的に吸収するとともに、マルクス・レーニン主義、ホーチミン思想に基づき充実され、「竹のような外交」路線を生み出した。これは原則を堅持し、柔軟に対応するとともに、あらゆる試練と困難に負けず、団結を強化し、国家、民族の利益を断固として保護するという路線である」と明らかにしました。また、2023年12月、行われた第32回全国外交会議で、チョン書記長は「近代的かつ包括的で、強固な外交の構築・刷新・発展を継続する必要があると強調しました。
否定できない成果
「竹のような外交」路線に従って、行われてきた外交活動は社会経済開発や国際社会におけるベトナムの地位向上を目指す平和で安定した環境の維持、独立、主権、領土保全の確保に寄与しています。ベトナム共産党の第13期の初めから、ベトナムはパートナー国、近隣国、友好国との関係の拡大に取り組んできました。
2023年12月、ベトナムと中国は「未来共有の共同体」を構築する共同コミュニケを発表し、両国国民の幸福と人類の平和、進歩に貢献することが狙いです。一方、同年9月、ベトナムとアメリカは平和、協力、持続可能な開発に向けての包括的な戦略的パートナーシップの確立で合意しました。アメリカは「独立、強靭、繁栄、自強」のベトナムを支持すると表明しました。
多国間関係に関し、ベトナムは地域と世界の協力メカニズムやフォーラムに積極的に参加しています。ベトナムとパートナーや国際組織、中でもOECDとの関係は絶えず強化・拡大されています。ベトナムはOECDの正式な加盟国ではありませんが、同機構の政策改革や投資促進、行政管理などに取り組んでいます。双方は海外直接投資の質に関する報告書やベトナム経済報告の作成などで協力し合っています。今回のOECD閣僚理事会でブイ・タイン・ソン外相はOECD東南アジア地域プログラム10周年記念会合や持続可能で包摂的な経済成長に関する会合などに出席し、発表を行う予定です。衝突や分断が多発している世界の中でベトナムの「竹のような外交」路線は功を奏しており、信頼できるパートナーで責任感があり、国連憲章と国際法に従って良好な関係の構築に力を尽くしているというベトナムのイメージアップに貢献するとしています。