(VOVWORLD) - FDI=外国直接投資がベトナムに入ってから30年経ちましたが、この30年間、FDIは、ベトナムの経済成長を支える柱の一つであり続けています。
保護主義の拡大を始め、世界情勢が複雑に推移している背景の中で、ベトナムはFDI誘致政策の改善に取り組んでいます。
印象的な数字
ベトナム計画投資省によりますと、2018年5月現在、実施中の外国直接投資プロジェクトの件数は2万6千件で、その投資総額は3200億ドルを超えています。FDIセクターは社会全体の投資総額の25%、輸出総額の70%を占めています。 また、今年上半期だけで、FDI総額は200億ドルにのぼり、前年同期と比べ、5%増となっています。
政治的にも安定し、地理的にも有利な位置にあるベトナムは魅力的な投資先であり続けるであろうと見られています。プロフェッショナル・サービスファームKPMGベトナム社の副社長グエン・コン・アイ氏は次のように語りました。
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「この1年、特に、今年の上半期、当社はかつてないほど忙しいと言えます。ベトナムに投資しようとする投資家にコンサルティングを行うからです。東北アジアを始め、世界各国の投資家によるベトナムへの関心が非常に高まっています。」
FDI誘致を促進
しかし、保護主義が広がっていることは、FDIに影響を与えかねないと見られています。外国投資企業協会のグエン・マイ会長は次のように語りました。
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「ベトナムも世界各国も変わっています。世界のFDIが変わっているので、私たちも、FDI誘致政策を変えなければなりません。それは、グリーン成長や、持続可能な開発という新しい方針に沿ってFDIを誘致するということです。また、人口知能や、クラウドコンピューティングなど将来の技術に関わるFDIも誘致する必要があります。こうしたFDIを誘致するため、投資促進や、投資プロジェクトの審査などFDIに関する国家管理を全面的に改革しなければなりません。」
経済専門家によりますと、これから、FDI誘致に関する各国間の競争が激しくなると予測されている中で、ベトナムは、FDI誘致にさらに取り組む必要があるとしています。経済専門家グエン・ミン・フォン博士は次のように語りました。
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「ベトナムが世界経済への参入とグロバールバリューチェーンへの参加を進めているのは正しい方針です。そのため、これから、FDIを誘致するとき、グローバルバリューチェーンに参加している企業からの投資誘致を優先させた方がいいと思います。ハイテクや、有名なブランドを持っている企業を誘致することはいいと思います。」
一方、計画投資省外国投資局のド・ニャット・ホアン局長は、「環境にやさしいハイテクを持っている企業を優先的に誘致する」と明らかにし、次のように語りました。
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「新しい背景の中で、外国投資を選択的に誘致する必要があります。ベトナムは多国間そして二国間の経済協力協定を多く締結してきましたが、技術的障壁を利用して、いい投資プロジェクトしか誘致しないことは課題となっています。」
経済専門家によりますと、ベトナム経済の迅速かつ着実な発展が最も重要であることから、外国直接投資の誘致を強化するために、ベトナムは経済構造の転換、成長モデルの刷新、投資経営環境の改善などに力を入れていく必要があるとしています。