ベトナム・アメリカ平和・協力・発展のための包括的な戦略的パートナーシップ確立
(VOVWORLD) - 10日と11日の両日で行われるアメリカのジョー・バイデン大統領のベトナム訪問にあたり、10日、ベトナムとアメリカは包括的な戦略的パートナーシップの確立に関する共同宣言を採択しました。
会談後の共同記者会見でグエン・フー・チョン党書記長とバイデン大統領は「関係の格上げは両国の平和、協力、および持続可能な開発を目指すものである」と強調しました。
ベトナム・アメリカの包括的な戦略的パートナーシップの原則
チョン党書記長によりますと、ベトナム・アメリカ関係が正常化されてから、力強く、効果的かつ実質的に発展している。これを基礎に、両国民の利益、および新たな段階における平和と持続可能な開発のための協力の強化に向けて両指導者は包括的な戦略的パートナーシップの確立に関する共同宣言を採択しました。チョン書記長は次のように語りました。
(テープ)
「私たちは相互理解やそれぞれの正当な利益、独立、主権、領土保全の尊重、内政不干渉は基本的な原則であり、両国関係、および国際関係において重要な意義があると強調します。アメリカが『強靭、独立、自強、繁栄』のベトナムの支持を確認したことを高く評価し、重視しています。新たなパートナーシップはこれまでの両国の協力内容を継承し、イノベーションを柱とする貿易・投資分野での協力の促進を通じて、格上げされます。また、新たなパートナーシップはこれまでの両国の協力内容を継承し、イノベーションや科学技術は平和、協力、持続可能な開発のための包括的な戦略的パートナーシップに突破口を開くものであると定められました」
また、チョン書記長は「ベトナムの独立獲得後、ホーチミン主席が述べた原則に基づいて、ベトナムはアメリカや他の国との関係を推進している。この原則はベトナムが全ての国の友人になるというものである」と強調しました。さらに、第13回党大会では「独立、自主、平和、友好、協力、発展、全方位、国際関係の多様化、各国の信頼にたるパートナーであり、国際社会の責任感あるメンバーであるという対外政策」が再確認されました。
ベトナム・アメリカ関係に新たな一ページ
一方、バイデン大統領はこの歴史的な出来事は、ベトナムとアメリカにとって50年間にわたる関係を振り返るチャンスとなると強調し、次のように語りました。
(テープ)
「私たちは衝突から関係正常化へと移行しましたが、世界の最も重要な地域の安全保障と繁栄の促進を目指し、双方関係の格上げを決定しました。両国関係が包括的な戦略的パートナーシップに格上げされたことを喜んでいます。これは両国にとって重要な一歩となり、地域と国際関係に大きな影響を与える課題に直面している中で両国関係の力強さを示すものです」
バイデン大統領によりますと、両国は重要な振興技術分野で協力を深化させ、中でも半導体産業の強いサプライチェーンを構築する計画があります。また、この訪問を機に、複数の重要な貿易協定が締結されました。現在、両国は気候変動対応やベトナムのクリーンエネルギーへの移行、世界経済の安全保障、医療、安全保障、教育分野での協力や草の根外交の促進に取り組んでいます。
さらに、今後も、両国は戦後、ベトナムに残された地雷・不発弾の除去やダイオキシン汚染土壌の洗浄、身体障がい者の支援、戦争中、行方不明となったアメリカ兵とベトナム軍人の遺骨の捜索・収集を継続する方針です。バイデン大統領によりますと、両国は平和と共通の繁栄のための遺産をつくり出し、明るい未来を迎えることが狙いです。バイデン大統領はベトナムが地域と世界における重要な存在であることから、両国関係に新たな1ページが始まることを期待していると強調しました。