この外遊は双方の戦略的パートナー関係の緊密化に貢献し、新たな協力の機会をもたらすだけでなく、アジア太平洋の安定と繁栄の促進における両国の役割を確立するものと期待されています。

また、この外遊は昨年、ベトナム・オーストラリアの外交関係樹立50周年、戦略的パートナー関係確立5周年が迎えられた後、行われるものです。さらに、ベトナム首相がオーストラリアを訪問するのは7年ぶりとなり、ファム・ミン・チン首相が就任以来、オーストラリアを訪問するのははじめてとなります。

共通点・共通の利益

外交関係が樹立されてから、50年間にわたり、ベトナムとオーストラリアは相互補完的な経済関係で結ばれ、ともに地域の結束と繁栄の促進に取り組んでいる一方、気候変動対応やグリーン経済への移行を促進しているという共通点を持っています。チン首相の外遊を前に、ド・フン・ビェット外務次官は取材に応え、「ベトナム・オーストラリアの戦略的パートナーシップは高い政治的信頼に基づくものであり、あらゆる分野で促進されている」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「この訪問は両国にとって、これまでの双方の関係、中でも戦略的パートナーシップの発展を強化し、今後の協力方向性を定めるチャンスとなります。また、これはオーストラリアからベトナムへ、およびベトナムからオーストラリアへの投資促進や、教育、職業訓練、科学技術、イノベーションなどの分野での協力の拡大、ベトナムのデジタル経済、グリーン経済、再生可能なエネルギー開発を促進することが狙いです。訪問を機に、両国は双方の関係を新たな発展段階に押し上げることを目指しています」

 現在、ベトナムとオーストラリアはいずれも戦略的パートナー関係のメリットの活用に取り組んでいます。両国の指導者の往来を通じて政治的信頼が強化される一方、国防・安全保障や科学技術、教育、貿易投資、草の根交流分野での協力が促進されています。両国は新たな分野への協力の拡大や双方の関係の格上げを進める意向を表明しました。オーストラリア・ベトナム政策研究所の共同創設者であるレイトン・パイク氏は次のように語りました。

（テープ） 

「両国は二国間関係だけでなく、地域に対する願いにおいても多くの共通の価値観を共有しています。両国は相互補完的な経済関係にあり、協力を強化する余地があります。ベトナムとオーストラリアは双方の関係を新たな段階に押し上げる必要があります。これは両国、ひいては地域に多くの利益をもたらすでしょう」

一方、オーストラリア政府の東南アジア担当のニコラス・ムーア特使は「オーストラリア政府は同国の産業界に対してベトナムに関する十分な情報の提供に取り組んでいる」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「 オーストラリア政府の支援により設立された非営利組織アジアリンク（Asialink）の代表と会って、ベトナムへの投資方法に関するガイドブックをもらいました。また、同組織はオーストラリア・ベトナムグリーン経済開発計画に関する印刷物を出版し、オーストラリア企業にベトナムのグリーン経済への投資を奨励することが狙いです。4月に、私たちはベトナムで同問題に関する会議を開催する予定です。これはオーストラリアがベトナムをはじめとする地域諸国との投資貿易の促進にどれほど注目するかを示すものです」

昨年、オーストラリアは2040年までの東南アジア経済戦略を公表し、その中で、農業・食品、資源、グリーンエネルギー転換、教育訓練という４つの分野においてベトナムとの関係を推進する方針を打ち出しました。

ベトナムとオーストラリアとの関係は順調に発展しています。両国関係が新たな発展段階に押し上げられることは両国に利益をもたらすだけでなく、地域の安定と繁栄にも貢献するとしています。