ベトナム、国際基準に沿って労働問題に関する公約を履行
(VOVWORLD) - 労働に関する国際条約への加盟を含め国際社会への参入はベトナムの終始一貫した政策です。現在、複数のFTA=自由貿易協定を実施しているベトナムは国際基準に沿って労働問題に関する公約を積極的に履行しています。
国家の競争力の向上プロセスにおける国際労働基準の順守の重要性が日増しに高まっていることを十分に認識しているベトナムは、ILO=国際労働機関の複数の条約を批准してきました。これはベトナムの労働市場の運営に土台を作っています。
法的枠組みの完備
1992年にILOに加盟してから、ベトナムは、強制労働に関する条約や、雇用政策に関する条約、海事労働条約など、労働問題に関する25件の条約に加盟してきました。2019年、ベトナムはILOの3件の条約を批准しましたが、その中で、団結権や団体交渉権条約は、CPTPP=包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定や、EVFTA=ベトナムとEU=欧州連合との自由貿易協定など次世代のFTAの重要の構成部分となっています。
第105号条約を採択した議員ら=Trọng Đức/quochoi.vn |
その後、労働傷病軍人社会事業省はこの条約の締約を公表しました。また、同年、ベトナム国会は労働法改正案を採択しました。そのなか、労働者の権利確保に関する多くの規定が含まれています。さらに、2020年6月、国会は、ILOの強制労働の廃止に関する条約(第105号条約)への加盟に関する決議を賛成多数で採択しました。
これまで、ベトナムは多くの国際条約を批准してきましたが、その中に、ILOの基本的な条約8件のうちの7件があります。現在、ベトナムはILOの第8件の基本的な条約の締約を研究しています。
労働者の権利保護
ILOの各条約への加盟や、労働法の改正はベトナムの党と国家の終始一貫した路線に合致しています。これは社会主義を志向する市場経済体制の充実や労働市場の発展を目指すとともに、労働者の採用、使用にオープンな法的枠組みをつくり、労働者と使用者の合法的な権利と利益を確保することが狙いです。
ILOベトナム事務所のチャン・ヒー・リ所長=quochoi.vn |
また、2013年憲法の法制化や世界経済参入の要求に応えるものです。ILOはベトナムのこれらの措置を歓迎し、「ベトナムは適切な雇用創出や国家レベルでの国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの達成に近づいている」との見解を示しました。ILOの代表は、「第105号条約の批准を通じてベトナムはあらゆる形で強制労働の廃止に尽力していくことを公約している」としています。
一方、専門家によりますと、締約は党と国家の政策、法律を具体化させ、憲法に合致するとともに、「平等、互恵、民族の利益保護」という原則を確保します。この条約の締約はベトナムが締約したいくつかの国際条約の遂行にも役立ち、基本的労働基準の尊重に向けてのベトナムの公約を示すものです。
さらに、これは国際社会への参入を進めているベトナムの実状に見合うものであり、人間の基本的権利、労働の権利の確保に関するベトナムの政策を示し、労働生産性の向上につながるとしています。