ベトナム、移住の安全保障と人身売買防止対策に取り組む

(VOVWORLD) - 現在も、欧州などへの人身売買状況が複雑に推移しています。こうした中、国際社会への参入を促進しているベトナムは移住の安全保障と人身売買防止対策に注力し、多くの成果を収めています。
ベトナム、移住の安全保障と人身売買防止対策に取り組む - ảnh 1       (写真:cand.com.vn

現在、ベトナム公安省と労働傷病軍人社会事業省は関連各機関と連携して、欧州諸国への違法な労働者派遣の防止対策を進めています。その努力の一環として、公安省はイギリスの支援を受け、「人身売買との闘い、被害者の社会復帰を支援する」プロジェクトを展開しています。これは移住の安全保障と人身売買防止対策の強化を目指すベトナムの努力を示すものとみられています。

法的枠組に関し、ベトナムはこの問題解決のために、多くの政策と法律を発布してきました。その中で、2016∼2020年期における人身売買防止対策プログラムは代表的なものと評されています。このプログラムは人身売買に関わる犯罪と戦うだけでなく、被害者の保護・支援なども目指しました。それに加えて、2016年政府は毎年の7月30日を「全国民あげての人身売買防止対策デー」に定めました。

また、先ごろ、2021∼2025年期の人身売買防止対策プログラムと2030年までのビジョンを承認しました。同時に、ベトナムは人身売買防止対策に関する複数の国際条約に加盟しました。例えば、2016年12月13日に批准された人身売買防止対策に関するASEAN条約や、不法移民・人身取引および関連する国境を越える犯罪に対する地域協力の枠組みである「バリプロセス」などです。

さらに、ベトナムは、中国や、タイ、カンボジア、ラオスなど複数の国とともに越境人身売買防止対策に関する合意書を締結しました。これらの措置は、合法的な移住を保護し、不法な移住および人身売買犯罪と断固として戦うというベトナムの終始一貫した立場を示すものとみられています。

しかし、近年、イギリスをはじめ欧州や、中国、カンボジアなどへの不法な移住と人身売買の状況が引き続き複雑に推移しており、犠牲者も出ています。中でも、イギリスで2019年10月23日にベルギーから到着した冷凍コンテナ内に39人のベトナム人の遺体が見つかった事件が典型的なケースといえます。

こうした中、ベトナムは不法な移住と人身売買防止対策を強化しています。ベトナムの出入国管理機関は管理・監視措置を厳格化するとともに、不法な移住と人身売買防止対策の重要性に関する人々の認識向上を目指し、宣伝・啓蒙・教育活動を促進しています。特に、問題解決を目指し、国際協力を深化させています。

新型コロナウイルス感染症の収束後、労働者の海外派遣や、国際的な人の移動と合法的な移住が平常に戻る見通しですが、それに伴い、不法な移住と人身売買犯罪が増加する可能性もあると予測されています。そのため、ベトナムは国際協力を強化し、断固とした防止対策をとりながら、状況に見合う臨機応変な措置をとる方針を打ち出しています。

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