人身取引予防対策へのベトナムの取り組み 否定できない

(VOVWORLD) - 先ごろ、アメリカ国務省は2019年版の「人身取引報告書」を発表し、ベトナム政府の取り組み評価について4段階のうち2番高い「Tier2」と位置づけましたが、客観的かつ正確でない評価を出しました。これは人身取引予防対策に対するベトナムの大きな取り組みを反映するものではありません。
人身取引予防対策へのベトナムの取り組み 否定できない - ảnh 1 少数民族の人々に人身取引問題を理解してもらうための宣伝啓蒙

人身取引は危険な犯罪で、ベトナムを含む多くの国で差し迫った問題となっています。この犯罪は被害者の健康と精神に深刻な影響をもたらし、被害者の命を奪ったこともあり、人権を深刻に侵犯するものです。また、各国の治安と秩序にも悪影響を与えています。これに対し、ベトナムは長年、関連法律の整備や、国民の認識向上、国際協力の強化などを通じて人身取引予防対策に取り組んでいます。

客観性のない評価

2019年版の人身取引報告書では、アメリカ国務省は、ベトナムは見るべき取り組みがあったものの、人身取引の減少を目指す最低の条件を十分に満たしていないとの見解を出しました。また、「被害者の特定と被害者への補助が迅速かつ効果的ではない。関連部門と地方との連携が足りないことは人身取引予防対策を妨げている。仕事あっせん企業のほとんどが規定より高い手数料を徴収している。人身取引事件に関わる幹部がいるという報告があったものの、政府は関連法律に違反した幹部を対象とした調査や告訴に関する報告をだしていない」などを指摘しました。

絶え間なく人身取引に対応

しかし、アメリカ国務省のこのような見解は、正しくない情報または歪曲された情報に基づいて出されたものです。

 実際、人身取引予防対策はベトナムの党と国家の特別な関心を受けており、政治システム全体を動員して、予防から摘発、犯罪者の処理、被害者への補助まで多くの面で展開されています。ベトナムは不法移民や人身取引に断固として対応する方針で、予防対策法の制定や刑事法の改正などを通じて関連法律の整備を進めています。また、先ごろ、グエン・スアン・フック首相は、移民への対処に関する初の国際枠組みである国連移民協定の展開を目指す計画を承認しました。正式に「安全で秩序ある正規移住のグローバル・コンパクト」と呼ばれるこの協定は正規の移住をより多く、柔軟に認めること、移民が基本的な住民サービスを受けられるようにすること、移民の人身売買を根絶すること、など23項目の目標をたてています。

そして、ベトナムは、2021年から2025年期の人身取引予防対策国家プログラムの構築を進めています。さらに、この分野における国際協力を強化しており、その中で、人身取引被害者となったベトナム人を救助・帰国させることに集中しています。

人身取引がグローバルな問題となっている中で、ベトナムは、人身取引予防対策を精力的に進めているものの、いくつかの問題が残されていますが、人身取引予防対策におけるベトナムの大きな取り組みを否定することはできないでしょう。

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