ベトナムの当局者が中国へ売られた赤ちゃんを受け入れる（写真：TTXVN）

ベトナム政府は不法移民予防対策と人身売買防止対策を常時的、かつ長期的な政治的任務として位置付けています。そのため、ベトナムは人身売買予防対策を強化すると同時に、法律システムの整備と国際社会との協力に尽力しています。国連も人身売買を最も危険な4つの犯罪の一つと見なし、グローバル犯罪防止計画に盛り込みました。

移民の保護、人身売買の危機を阻止

現在、ベトナムは2021年から2025年期における人身売買防止計画、2030年の方向を精力的に展開しています。これに関して、ベトナム外務省のファム・トゥ・ハン報道官は次のように語りました。

（テープ）

「近年、ベトナムは2021年から2025年期における人身売買防止計画、2030年の方向の実施に尽力し、多くの成果を収めてきました。ベトナムは人身売買事件の捜査、これに関する犯罪の取締りを推進するとともに、この件に関する宣伝活動を強化しています。また、ベトナムは移民の合法的な権利を確保するため、“安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト”の実施に取り組んでいます」

ベトナム外務省のファム・トゥ・ハン報道官（写真：TTXVN）

また、ベトナム政府は2021年から2025年期における人身売買防止計画、2030年の方向性を実行し、人身売買に関する多くの政策と法律を制定してきました。その中で、2022年7月18日、労働傷病兵社会省、国防省、公安省、外務省は、人身売買被害者の受け入れ、保護、サポートに関する協力合意書に調印しました。

これは、人身売買予防対策、人身売買被害者の合法的な権利の保護に向けた関連機関の努力と決意を示しており、人身売買予防対策の効果向上に関するベトナムの公約を改めて伝えています。また、ベトナムは、毎年７月３０日を「全国民あげての人身売買防止対策」の日と定めています。これは全国民が主体的に人身売買防止対策に参加することを励ますものとされています。

国際協力の強化

先頃ハノイで行われた外務省の定例記者会見で、アメリカ国務省が公表した「世界の人身売買」に関する年次報告書の2023年版に関して、ベトナム外務省のファム・トゥ・ハン報道官は「アメリカが違法な移住と人身売買防止対策に対するベトナム努力について客観的、かつ正確な見方を出すよう」訴え、次のように語りました。

（テープ） 

「世界の人身売買に関する年次報告書の2023年版に、アメリカ国務省は世界における人身売買防止対策について前向きな見方を示しましたが、今後、アメリカがこの問題に関するベトナムの努力を正確、かつ客観的に評価するため、ベトナムと緊密に協力することを望んでいます」

また、ベトナムの各省庁、機関、地方も人身売買防止に関する2国間と多国間協力協定を効果的に実施しています。国境地帯に駐屯している国境警備部隊や公安部隊は人身売買に関する情報交換と人身売買の被害者の救出、受け入れ、支援と犯罪者の捜査、逮捕のため、ベトナムと隣接している中国、ラオス、カンボジアの関連機関と連携しています。