ホーチミン市の新型コロナ予防対策を視察しているチン首相

この1年以上、新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、人類に最悪の事態をもたらしています。7月15日現在、世界で確認された感染者数数は1億8800万人を超えており、400万人以上の死者が出ています。新型コロナ禍はほとんどの国の経済社会に大打撃を与えています。こうした背景の中においても、ベトナムは疫病の抑制と経済回復という二重目標を掲げており、一定の成果を収めています。しかし、敵対勢力はインターネットやSNSソーシャルネットワークを利用してベトナムの新型コロナ予防対策を歪曲する多くの情報を流しています。

実際、ベトナム政府は2020年の始めに、初めての感染者を発見した後、「国民の健康保護を第一に」という方針を出し、経済的利益を犠牲にしても必ず国民の命と健康を守る決意です。また、「疫病と敵のように闘う」という精神で、社会全体のリソースを活用して新型コロナとの闘いを効果的に展開しています。党の指導と政府の運営の下、各地方は自らの状況に基づいて、感染ルートの追跡や、感染者の治療、濃厚接触者の隔離、感染リスクの高い地区の封鎖、ワクチンの接種などを目指すふさわしい対策を講じています。

特に、新型コロナの第4波が4月27日に発生してからは、政府は毎日、感染が広がっている地方の状況を見極めた上で、適切な指導と速やかな支援を行っています。これにより、バクザン省とバクニン省を始め、北部各地の感染は基本的に制圧されています。

ホーチミン市の労働者へのワクチン接種

一方、ホーチミン市をはじめとする南部各地では、感染状況が複雑に推移していることを受け、政府は現地行政府と緊密に連携し、感染拡大に歯止めをつけるために全力を尽くしています。また、全国各地の組織と人々も現金や品々の寄付をするなどを通じて新型コロナとの闘いに積極的に参加しています。政治システムと社会全体の団結と努力により、疫病が抑制され、南部各地の人々の生活が新常態（ニューノーマル）に早めに戻ることでしょう。

また、政府は疫病を基本的に制圧するため、集団免疫を実施し、ワクチンの調達と接種を進める方針です。ベトナム共産党政治局は6月11日に「新型コロナ予防対策と経済社会発展の促進」をテーマにした会議の結論を出し、その中で、「ワクチンの購入を進め、感染リスクの高い地区の住民と工業団地で働いている労働者を始め、国民へのワクチン接種を効果的に展開し、子どもへのワクチン接種を研究・検討する」と明記しています。

実際、ワクチンの調達は社会全体が積極的に参加しています。新型コロナウイルスワクチン基金が発足してからわずか1か月の間で、この基金に寄せられた寄付金は8兆1000億ベトナムドン（日本円で400億円以上）にのぼっています。これは、党と国家の新型コロナ予防対策に対する国民の大きな支持を示し、敵対勢力の歪曲論調を否定する証であると言えるでしょう。