(VOVWORLD) - 新型コロナウイルス感染症予防対策国家指導委員会は3日、新型コロナウイルス感染症の分類レベルをこれまでの「グループA」から「グループB」に引き下げることを決定しました。この成果は、政治システム全体と全国民の努力によるものです。
政治システム全体と全国民の努力による成果
ベトナム保健省によりますと、この5か月間、ベトナム国内では8万5千人の感染者が確認され、月平均の感染者数は1万7千人で、2021年より8.5倍の減少となっています。このうち、この5か月間の死亡者数はわずか20人で、死亡率は0.02%に低下しました。現在、新型コロナの入院患者の割合は、他のグループBの感染症よりも低く、重症化率もデング熱や手足口病など他のグループBの感染症と同等、またはそれ以下に抑えられているとしています。
3年間にわたった新型コロナとの闘いを振り返ると、前例のない闘いであると言えます。グループAに属する感染症に全国規模で対応するのは今回がはじめてです。また、2022年12月31日現在、新型コロナ予防対策のほか、関連の社会福祉に充てられた予算は230兆ベトナムドン(日本円で約1兆3500億)にものぼっています。そして、医療関係者のほか、ベトナム人民軍と公安部隊の幹部と兵士、そしてボランティア合わせて数百万人が動員され、新型コロナとの闘いの先頭に立ちました。さらに、国際社会からも大きな支援を受けました。ハノイで開催中の第15期国会第5回会議で、ハノイ選出の国会議員グエン・アイン・チーさんは次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは新型コロナを抑制した成功例の一つです。その中で、ワクチン外交はとても成功したと思います。これにより、ワクチンが十分かつ早期に調達できました。国会は全国民の一致団結、および新型コロナ予防対策に大きく貢献してきた個人と組織の努力を大切にしております。これは民族大団結の精神に対する意義深いメッセージであると思います」
ベトナムの新型コロナとの闘いは国際社会から好評を得ています。WHO世界保健機関ベトナム事務所のAngela Pratt所長は、ベトナムのワクチン接種キャンペーンは非常に印象深いものであると述べ、ベトナムは新型コロナに対応する模範となったと強調しました。一方、ユニセフ国連児童基金ベトナム事務所のラナ・フラワー所長は、新型コロナとの闘いにおけるベトナムの成功は政治システム全体と全国民の積極的な参加によるものであると明らかにしました。
引き続き怠らず対応
新型コロナウイルス感染症の分類レベルをこれまでの「グループA」から「グループB」に引き下げることが決定されたにもかかわらず、ベトナムは新型コロナをはじめ、将来発生可能な感染症に対応する態勢を整えています。
保健省は今後、関連書類を作成して首相に提出します。首相が検討した上で、新型コロナの終息宣言を決定する流れとなります。終息宣言後も、保健省はWHOの勧告やベトナム国内の流行状況を踏まえ、新型コロナの監視・管理計画を策定・実行していくとしています。保健省のダオ・ホン・ラン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「WHOは2023年5月5日に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出している「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了すると発表しました。保健省は関連省庁と連携して、国内の法律を点検し、各国の経験を参考にした上で、今後の新型コロナ予防対策を作成していきます」
新型コロナとの闘いはベトナム全国民の勝利であり、感染症への対応に関する貴重な経験となっています。