報告にはこれまでの社会経済開発の成果が総括され、年末までの目標の達成を目指す措置が提出されました。

社会経済開発の成果

カイ副首相の報告によりますと、2022年末の数か月、社会経済状況が好転し、その中で、複数の指数が国会に報告されたものより高くなっています。例えば、GDP＝国内総生産の伸び率は報告された数字の8％を上回る8.2％、1人あたりのGDPは報告された4075ドルを上回る4109ドルに達したことなどです。また、国家予算の歳入は12.5％増となり、開発事業への支出や社会保障、賃金制度の改革などの任務の遂行に応えられたとしています。カイ副首相は次のように語りました。

（テープ） 

「公的債務や国の対外債務などが減少し続け、安全限界にあります。昨年末までに政府は困難な状況に陥った延べ140万人の雇用者、および延べ6843万人の労働者におよそ44億5千万ドル相当の援助金を支給しました。また、昨年、ベトナムの国家ブランド価値は4310億ドルに達し、世界各国の国家ブランド価値を数値化したランキング「世界で最も価値のある国家ブランドトップ100」2022年版で32位に立っています。米国の格付け会社ムーディーズや「S&P」、およびフィッチ・レーティングスはいずれもベトナムの信用格付けを引き上げました」

今年初めから、ベトナムのマクロ経済や主要なバランスが確保されています。世界経済の停滞にもかかわらず、第1四半期のGDPの成長率は伸びを見せ、貸出金利は昨年末と比べ平均で0.7％減少しました。また、輸出超過額は75億6千万ドル、公共投資の実行額は昨年同期と比べ、およそ6億4千万ドル増となっています。政府は全長723･7キロメートルの南北高速道路東側路線建設工事第2期の12区間を一斉に起工しました。一方、外交活動や国際統合が主体的かつ効果的に促進されています。カイ副首相は次のように明らかにしました。

（テープ）

「党と国家の高級指導者の外交活動が効果的に行われ、ベトナムと各国との協力関係の深化や多国間フォーラムでのベトナムの地位向上に貢献してきました。経済外交が集中的に行われ、開発事業へのリソースの誘致に役立ちました。また、ベトナム・イスラエルの自由貿易協定の交渉が終了しました。さらに、ベトナムはトルコ大地震の被災地での救難に救助隊を派遣し、国際社会におけるベトナムのイメージアップに貢献しました」

成長の原動力を活用

報告の中でカイ副首相はベトナム経済が海外の不況や長期化している国内の問題点によるマイナス影響を受けている背景の中で政府は10つの解決策を打ち出し、その中でマクロ経済の安定の維持、インフレ抑制、成長の促進、経済の主要なバランスの確保などを優先課題に位置づけています。また、政府は成長の原動力といった消費・投資・輸出の促進に取り組み、付加価値税還付を加速し、生産や輸出入活動に便宜を図る方針です。さらに、今年の公共投資実行率をすくなくとも95％にし、PPP＝官民連携方式による投資プロジェクトを奨励するとしています。カイ副首相は次のように強調しました。

（テープ）

「問題点の点検や解決に集中し、重要な産業開発プロジェクトを早期に稼動させることが狙いです。また、ハイテクを利用し、付加価値が高いサービスの開発に集中する必要があります。さらに、観光市場の再構築や外国人観光客の誘致、持続可能な観光開発や観光振興、それぞれの地方の潜在力と強みにつながる観光商品の多様化を促進しなければなりません」

他方、ベトナムは国防産業の現代化や国防力の強化、安全保障、独立、主権、領土保全の確保に尽力すると同時に、国際統合や外交活動、経済外交、文化外交、デジタル経済、グリーンで持続可能な開発を促進していく姿勢を整えています。