(VOVWORLD) -ヌックマムとはベトナム料理に欠かせない調味料であり、小魚を塩で漬け込んで、発酵させた魚醤です。
ヌックマムは、炒めものや煮込み料理、つけダレとしてそのまま使かわれています。中部クアンナム省タムキー市タムタイン村のヌックマム作りは長い歴史を誇っていますが、現在でも、昔のままの美味しさを保ち、クアンナム省の特産品の一つとなっています。
タムタイン沿岸に住むほどんどの家庭は、自分の家族の必要のために、ヌックマムを作ります。ホアチュン集落の住民レ・バン・ガップさんは次のように明らかにしました。
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「現在、タムタイン村には、数十カ所の施設でヌックマムを生産、販売しています。地元のヌックマムは、良い香り、タンパク質が多く、天然の甘味を持っているので愛用されています」
村民によりますと、ヌックマムの原料となる魚は、カーコムと呼ばれるカタクチイワシ科の魚を使うのがポピュラーだそうです。ヌックマムは陶器の壺に小魚と塩を漬け込み、5ヶ月~12カ月ほど発酵・熟成させて、液体がカラメル色になれば、出来あがりです。ある村民は次のように語っています。
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「質の高いヌックマムを生産するためには、原料の魚は新鮮なものでなければなりません。魚は白い塩と混ぜて、陶器の壺に入れて12カ月ほど発酵させます。10㎏の魚につき4㎏の塩を使います。ヌックマムは手作業で作られ、保存料やその他の香辛料はまったく使用しませんので、健康にも安全です」
現在、タムタイン村にはおよそ40カ所のヌックマム生産施設があります。全ては従来からの生産法と手作業で行っています。多くの家庭は、ヌックマムの生産・販売により、安定した生活を送っています。「コーホイ」と名付けられたヌックマム生産施設の主であるグエン・ティ・ホイさんは次のように明らかにしました。
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「我が家は、20年余りにわたってヌックマム作りに従事しています。1リットルのヌックマムは5万ドンないし6万ドン、304円ないし365円程度の価格で販売されています。これにより、収入はかなり安定しています」
タムタイン協同組合、およびゴクラン協同組合のヌックマムは、一村一品製品として認定されています。現在、タムタイン村のヌックマムは全国各地で消費されるようになっています。ゴクラン協同組合の代表レ・ゴック・タムさんは次のように明らかにしました。
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「ゴクラン協同組合は、一日およそ200リットルのヌックマムを生産しています。ヌックマムは全国各地に出荷されていますが、天然の香りがしますので、特に北部の消費者から愛用されています」
長年にわたり、タムタイン村のヌックマムは現地住民の食事に欠かせない調味料として存在しています。ヌックマム作りのお陰で、多くの家庭は生活困窮状態を乗り越え、安定した収入を得るようになりました。