(VOVWORLD) -北部クアンニン省クアンイエン町ナムホア区のフンホック村は、ずっと昔から漁業に使う漁具を編む村として知られています。夏の日差しが強い日々に、この村を訪れると、至る所に天日干ししている竹製の丸い小舟、筌などの各種の漁具がよく見られます。
フンホック村の漁具は、クアンニン省内の森で採れる竹や、笹で作られ、とても丈夫で見た目も美しいです。
フンホック村に住むダン・ティ・タムさん一家は、3世代にわたり、漁具を編んできました。タムさんによりますと、竹製の丸い小舟は最も大変な仕事であり、漁具の品質は主に天候に左右されるということです。
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「かつて、農民たちは、水田の稲を刈る時に、竹製の丸い小舟を使いました。ですから、小舟の売れ行きは良かったです。しかし、現在は、小舟が要らなくなったため、小舟は漁民だけに売られています。良く成長した年老いた竹で作られた小舟は愛用されています。年末は老竹の旬ですから、船の売れ行きがかなり良いですよ。」
一方、ブ・バン・フンさんの一家は、30年間にわたって、漁具を編んでいます。彼によりますと、漁具編みの仕事は、収入は多くないですが、家族の伝統的な職業を守りたいので、頑張る」と明らかにしました。
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「以前、多くの人が漁具編みをしましたが、現在は、この仕事をするのは高齢者ばかりです。若い人たちは、工業団地や会社などで働いているからです。漁具編みは我が家の伝統的な職業ですから、この職業を守りたいですよ。」
実際、社会が発展するにつれて、漁民は近代的な方法で漁をするため、筌などの伝統的漁具が幅広く使用されなくなっています。フンホック村では、漁具編みに従事する家庭は減りつつあります。2011年に、この仕事をする世帯は、245戸でしたが、現在は65戸だけです。伝統的な職業を保つために、幾人かの職人たちは、漁獲に奉仕する漁具を編む傍ら、美術や室内装飾に用いられる幾つかの竹編み用具を作っています。
クアンイエン町文化情報室のレ・ミン・クオン副室長は「フンホック村の伝統的な職業の保存は、2021年∼2025年期の伝統的職業村の保存と発展プロジェクトに盛り込まれる。」と明らかにし、次のように語りました。
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「現在、フンホック村の村人が作った竹編み用具は、単なる漁具として使用されるだけでなく、美術や室内装飾分野にも愛用される装飾品となっています。そこで、伝統的な職業村の保存と発展を目指して、各企業の投資を呼びかけ、この村における漁具編みと観光活動を集中的に行う方針です。」
漁具を編むフンホック村の価値を保つことは、現地住民だけでなく、各レベル行政当局の責任です。村の職人たちは、伝統職業の維持のために、生産方法の刷新や、品質の向上に努力しています。