(VOVWORLD) -10年余り前に、中部トアティエンフエ省のフオン川には、屋根付の小舟で一生を送る
水上生活者が多く住んでいました。
1つの舟には5人から10人の家族が住み、母屋の役割を果たす舟のほかに漁や輸送に使う小舟を備えていました。水上生活者は川の流れの要所要所に集まって小さな集落を形成しました。しかし、水上生活者の子どもたちは、ほとんどが陸の学校に通学できなかったので、文字の読み書きが出来ませんでした。そこで、文盲解消が、現在までも現地の行政当局の常時の任務となっています。
フエ市のキムロン再定住地にある小さな家の中で、バック・ティ・ゴック・ハインさんは、現地の子どもへの教育について思い出を次のようにしました。かつて、彼女の家族は、フエ市フォン川にある水上の村ベンメーに住みつきました。当時、屋根付の小舟で一生を送る水上生活者たちは、貧しい人々でした。誰も子どもの勉強に配慮しなかったため、子どもたちは、無学で文盲でした。子ども好きなハインさんは、これらの子どもに文字を教えることにしました。それから、ハインさんの教室は毎晩開かれました。
ハインさんの教室 |
1995年に、水上の村ベンメーは、陸にあるキムロン再定住地に移転されました。その後、国は子どもたちに登校を奨励する政策を講じました。しかし、学校のカリキュラムが難しくて、修得できなかったので、再定住地の多くの子どもたちは、学校を中途退学せざるを得ませんでした。ですかあ、高齢者になった現在でもハインさんは、引き続き無料で子どもに教えています。
ハインさんは次のように語っています。
(テープ)
「ここに住む人々はいくら働いても食べることがやっとの生活ですので、子どもの勉強にまで気が回らなかったのです。私は、これらの子どもたちを可愛く思って、毎晩、2~3時間をかけて、子どものために少しでも手伝って上げたいのです。」
10年あまり前に、トアティエンフエ省当局は精神生活と文化生活の向上を理由として、水上生活者の陸への転居を推進して、水上生活者およそ1000世帯を陸にあるフォンソ区などの再定住地に転居させました。新しい居住地に移転してから、やっと子どもたちは、学校に通学できるようになりました。
フォンソ再定住地在住のグエン・チさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「本土の新しい居住地に住んでから、私の生活は前より楽になりました。水上生活を送っていた頃、子どもを見てもらえる大人がいなかったので、仕事に行くたびに子どもを連れて行かなければなりませんでした。ですから、子どもたちは、まったく授業を受けられませんでした。お蔭様で、陸の住宅に住めるようになってから、子どもたちは、学校で十分に勉強することができます。さらに、現地の行政当局は、貧しい状態にある子どもが中途退学をしないように、教科書や、文房具、衣服などを無料で提供するなどの補助政策をとってくれますよ。」
フォンソ再定住地在住の一角 |
長年に渡って水上の生活を送っていた人々は陸での生活は主に雇われ仕事をしていたので、とても大変でした。行政当局の支援政策のお陰で、住民たちの生活はだんだん安定化されてきました。そして、多くの人は、安定した職業についています。また、多くの子どもたちは、学習で優れた成績を収めました。
フォンソ再定住地在住のマイ・バン・タンさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「私たちが、この再定住地に転居してから10年も経ちました。現在までは、以前よりも十分な生活を送れるようになってきました。前は、子どもの登校率は一番高いのは4割でしたが、現在は、90~95%に上っていますよ。」
水上から陸に転居した人々は、昔の生活様式から新しい生活に変化しつつあります。子どもたちも、学校に十分に通えるようになっています。