(VOVWORLD) -中部ダナン(DaNang)市リエンチエウ(LienChieu)区にある『ナムオー(NamO)』という商標のニョクマム(NuocMam)の生産村は20世紀の初頭から生産していますが、今なお、全国の消費者から愛用されています。現在、ダナン市の行政当局は『ナムオー』ニョクマムの生産職業の保存・発展に取り組んでいます。
ところで、ベトナム人にとってヌックマムは食事の中に欠かせない液体状の調味料の1つとなっています。これは、カタクチイワシの小魚を原料に、塩と一緒に漬け込んで発酵・熟成させた液体です。ベトナムの料理の中で使われる頻度が高いためにベトナムの味ともいわれ、その役割は日本料理の中で使われる醤油にも
カタクチイワシの小魚 |
例えられるようです。ニョクマムは生春巻きや揚げ春巻き、茹で野菜、焼き豚肉のブンチャーなどを食べる時に使われるつけ汁にもされています。
ニョクマム生産工場=VGP/Lưu Hương |
さて、2016年以降、ダナン市内にある『ナムオー』ニョクマム生産村周辺で、ナムオ-生態地区の建設プロジェクトが実施されてから、建設予定地にある多くのニョクマム生産工場は他の場所に移転せざるを得ませんでした。その為、現地のニョクマム生産工場は半減し、55か所しか残っていません。ニョクマムの生産面積が縮小されたことは伝統的職業にも影響をもたらしています。
『ナムオー』ニョクマム職業村協会会長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「ニョクマムの生産量と品質の管理をしやすくために、ナムオー村の敷地内で生産工場を一カ所に集めたいのです。というのは、ニョクマムの生産業は、昔からナムオー村の伝統的な職業のものですので、他の場所に生産工場を設置するのはまずいですね。」
一方、ダナン市人民委員会は、ナムオ-生態地区の投資主に対し、ニョクマム生産職業村の復興プロジェクトへの支援を求めました。
また、ダナン市の商工局と農業・工業奨励センターの支援を受けて、現地にある幾つかのニョクマム生産工場は生産規模の拡大や商標作り、製品のPRなどに投資を行ってきました。
リエンチエウ区人民委員会委員長は次のように語っています。
(テープ)
「私たちは、ニョクマム生産工場の意見と願望をまとめた上で、一定の生産場所を建設する方針です。この新たな場所は、環境汚染対策を守ると同時に、安定した生産を目指す必要があります。」
現在、『ナムオ-』ニョクマムは全国各地に出荷され、愛用されています。ナムオー村の人々は、伝統的な職業を誇りに思いながら、引き続き維持させてゆきたい意向です。