(VOVWORLD) -ベトナムでは、伝統行事は旧暦で行われる為、中秋節も旧暦8月15日に行われます。今年2018年の中秋節は9月24日の月曜日です。
毎年のように、この数日間、北部フンイエン省イエンミ県ハオ村へ足を運ぶと、中秋節の伝統的な玩具を作る賑やかな雰囲気を実感できます。
ベトナムでは、中秋節は子供向けの節句であり、ずっと昔から続いています。昔は、中秋節になると、子どもたちは、両親や周りの大人から、太鼓や、星型の提灯、紙で出来たお麺などの伝統的な玩具を買ってもらいます。中秋節当日の夜、子供たちは公園や居住地の広場などに集まって、満月の光の下で、お面を被って、星型の提灯を持って、提灯行列をして、中秋の歌を歌いながら、練り歩くという中秋節の遊びをします。
昔の玩具は紙製が一般的でしたが、ここ十数年は灯りがきれいに見えるセロファン紙が登場してきました。昨今は、乗り物やキャラクターものの電気仕掛けで音楽が鳴るプラスチックの提灯、そして動物やアニメ・映画のキャラクターなど様々な種類のものが出回っています。そこで、元来からの紙製の玩具はだんだんすたれています。しかし、このようの中で、ハオ村の職人たちは伝統的な玩具作りの職業の維持と発展のために尽力しています。
ハオ村は首都ハノイの中心地から北東部へ約40キロ離れた所にあります。村の高齢者の話によりますと、皮なめしはいつから村人の伝統的な職業になったのかよく分らないということです。しかし、太鼓作りは100年以上の歴史があったようです。太鼓は、大小様々なのサイズで、中秋節などに用いられる玩具だけでなく、学校やお祭りなどにも使用されています。村人の高齢者の話です。
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「以前、村人は、中秋節の伝統的玩具である太鼓、紙製のお面や、提灯などを中心に作ってきました。最近まで、玩具の種類を多様化させるようになりました。例えば、紙製のお面は、20種類もありました。大人気となった中国のドラマ『西遊記』に登場する人物の顔や、十二支の動物などのお面です。現在、村全体は10世帯が伝統的玩具作りに励んでいます。」
紙製の玩具は主に、板紙や新聞紙、不要となった紙で使用します。他の村人の話です。
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「それぞれのお面は形によって、枠が違います。枠はセメントでできたものです。その枠の中に新聞紙、または不要紙をくまなく敷いて、糊を塗ります。再び板紙を2重に貼り重ねます。仕上げたら、着色をします。お面作りは一番簡単ですよ。」
ハオ村の職人たちは、1年中、この伝統的仕事をしていますが、中秋節を控えた旧暦6月と7月が一番忙しい時期です。現在、この村は、国内外の観光客にとって魅力的な観光スポットの一つとなっています。先ほどの村人の高齢者の話を聴いて見ましょう。
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「アメリカや、ベルギー、フランスなどからの観光客がよく我が村を訪れていますよ。このような伝統的な玩具作りは外国人にとって魅力的なようです。」
中秋節の伝統的な玩具は子供たちにとっても魅力的な玩具であるだけでなく、ベトナムならではの簡素なお土産ともなっています。ハオ村の職人たちは、ベトナムの伝統的な文化の美しさを展開させています。