(VOVWORLD) -ハノイ市郊外にあるブーラン村は、数百年にわたって、ベトナム北部で有名な仏具彫刻の場所として知られてきました。
ブーラン村の門 |
現在、ブーラン村では、およそ450世帯がこの仕事に携わり、500人のベテラン木彫り職人がいます。大規模な工房も数十か所あります。天日干しのために道の両側に木製の仏像が並んでいたり、木材加工の音で活気があります。
仏像彫刻用の木材は、柔らかく、耐久性に優れていることが重要です。職人の話です。
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「ジャックフルーツの木や、ゾイ、ヴァンタムという木が仏像彫刻に適しています。耐久性はもちろん、艶もよくて、縁起がいいと言われています。仏像の大きさは、立ち姿の立像(りゅうぞう)、座っている座像などで様々なサイズがあります。」
ブーラン村の木製の仏像は、釈迦如来、観音菩薩、阿弥陀、羅漢など種類も豊富です。仏像一体を完成させるためには、かなりの制作工程があります。各部分の大きさを決める図面制作、木材選び、図面写し、輪郭を取るための木取り、荒彫り、仕上げ、色付け、金箔などを貼る工程など、様々です。小さい仏像の完成には5日から7日、大きいものでは数か月かかるものもあります。仏像制作の中で一番難しいのは、色付けと切り金(きりかね)の過程です。切り金は、金箔や銀箔を裁断して細かい模様を作り、それを彫刻などに張る装飾技法です。色付けと切り金には、かなりの手間や労力を費やします。先ほどの職人の話です。
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「荒彫りの段階で仏像全体のイメージを決めます。バランス良く掘れているかを確認しながら、よく研いだ彫刻刀で細かい掘りカスを捨てながら根気良く仕上げます。その後、漆色に塗ります。仏像の鮮やかな色彩を出すため、10回くらい重ね塗りするのは一般的です。そして、金銀の切箔を施します。今まで、ブーラン村の職人は、ハノイ市内の一柱寺や北部ニンビン省のバイディン寺、タイビン省のケオ寺など有名な寺の仏像制作に参加してきました。」
ブーラン村の職人は、仏像を彫るだけではなく、いろいろな種類の仏具も作っています。別の職人の話です。
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「北部では、ブーラン村の仏像彫刻はずっと昔から有名です。他にも、対句が書かれた板や線香立て、線香鉢、ろうそく立て、供え皿などの仏具、寺や村の集会所の装飾部分なども作っています。ベトナム国内各地の他、タイや中国、台湾などにも出荷されています。私は、ウクライナやチェコの寺用に仏像を作ったんですよ。」
世界に渡るブーラン村の仏具制作は、これからも発展していくと期待されています。