(VOVWORLD) -中部トアティエンフエ省フォンディエン県にあるミースエン村は、長年に渡り、木彫りの職業で知られています。
この村の木彫り製品は、フエ市の建築様式の特徴を持っており、浮き彫り、丸彫りなどの彫り方があり、家の建築、机、椅子、ベッドなどに用いられています。ミースエン村の木彫り職業の由来について、フエ民間文化研究者のグエン・テエさんは次のように明らかにしました。
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「資料によりますと、ミースエン村は、15世紀頃に形成されたようです。ベトナム最後の王朝グエン朝時代に、フエ宮廷の建設のために、全国各地の多くの優れた職人が派遣されました。その中には、北部から来た大工と木彫り職人がいました。彼らは、フエに来る途中に、ミースエン村に立ち寄って、幾人かの若い人を仕事の助手として採用していました。その後、これらの職人は、故郷に帰りました。その中の幾人かが、ミースエン村で、若い村人に大工と木彫りを教えました。それから、ミースエン村の木彫り業が形成されたのです。」
ミースエン村のベテラン木彫り職人の器用な手先により、木彫り製品の美しさ、精巧さが目立っています。それらの職人の一人であるフエン・ドク・フィさんは次のように語りました。
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「ミースエン村の木彫り職人が造った作品は芸術的な意味合いがあります。その作品を見ると、心霊的問題を反映しているようです。単に、粗末な木の塊であっても、木彫り職人の器用な手先にかかると、有意義な芸術作品になります。」
木彫り職人になるためには、興味、アイディア、抽象的思考力、手先の器用さ、美術的才能が求められるようです。先ほどのフィ職人はまた、次のように述べています。
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「私は、ミースエン村の出身者です。現在も、多くの若い人は、昔の私のように彫刻芸術に興味を持っています。ですから、これらの若い人に先祖代々の職業、特に、木彫りの秘訣などを伝えたいのです。」
約200年経った現在もなお、伝統的木彫り職業村のミースエン村は、特別な文化芸術と建築文化価値をもたらしてきました。フエ民間文化研究者のグエン・テエさんはさらに次のように明らかにしました。
(テープ)
「現在、伝統的職業村の文化価値を保存する傍ら、村の職人たちは、幾つかの芸術的価値が高い彫刻作品を造れるようになりました。ですから、ミースエン村の彫刻作品は、国内だけでなく、外国でも愛用されるようになっています。」
ミースエン村を訪れると、賑やかな生産雰囲気を実感することが出来ます。現在、この村では、150人の労働者を擁する20余りの生産工房が活動しています。毎年、ミースエン村の木彫り職業の元祖の命日は、毎年旧暦の1月5日に行われます。