王様お気に入りのバナナ村の今

(VOVWORLD) -北部ハーナム省ダイホアン村は、バナナの一種である「チュオイ・グ(Chuoi ngu)」の栽培地として広く知られています。
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このバナナは、さらに「チュオイ・テイェン・フア(Chuoi tien vua)」とも呼ばれています。王様に献上したバナナという意味です。

この名前の由来は昔話から始まったそうです。その昔話によりますと、13世紀の陳朝時代に、毎年、王様は、この地を視察した際に、村人から歓迎され、一番おいしい料理を召し上がりました。ダイホアン村に住む貧しい夫婦は王様に差し上げる料理がないので、大変寂しく感じました。丁度、その時に、家のバナナ畑に熟成したバナナの木があったので、そのバナナを王様に献上しました。王様は、バナナを食べたところ、バナナの香りと甘さに驚いいて、その貧しい夫婦に賞金を与えることにしました。そして、このバナナの種類の拡大を命じたということです。

ダイホアン村の「チュオイ・グ」は、実の大きさは大人の親指ほどです。熟したバナナは皮の色が黄色になり、皮には黒の斑点がでてきます。

ダイホアン村の「チュオイ・グ」協会会長の話です。

(テープ)

「チュオイ・グの特徴は、皮が薄く、実が小さい。熟したものは、果肉が濃い黄色になり、香りがよく甘いの食感が特徴です。完熟していても1週間ほどは保存が可能ですよ。このバナナは他の地方でも栽培されているけど、ダイホアン村のバナナ程美味しくないよ。この地のバナナは果肉の真ん中に黒色の硬い筋がなく、濃い黄色の果肉、もっちりとした粘りがあるのが特徴ですよ。」

ばなな栽培住民の経験では、バナナの木の順調な成長は天気に左右されるということです。雨、が多くても晴れが続きすぎても、バナナの木の成長を妨げるからです。「チュオイ・グ」の木は、背が高く、倒れやすいので、実がなると、支えを立てなければなりません。また、実は未熟な状態のうちに収穫して追熟室で熟し、甘く黄色いバナナにするため、バナナ農園を所有するどの家庭でも、2~3個の追熟室が設けられています。

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ダイホアン村の高齢者の話です。

(テープ)

「バナナの美味しさは、主に気候と土壌に左右されます。土壌については、ベトナム全国どこを見ても、この村程の質の高い土地はないですよ。この地の土壌や、気候などはバナナの木の成長にとって最適ですよ。また、次世代のバナナを準備するために、1本の木の根元に2つだけの新しい脇芽を育てます。3カ月ごとにバナナを収穫することができます。バナナの木の高さは平均4mですが、1本の木に約7~8房のバナナが成るのが一般的です。」

ダイホアン村のバナナ「チュオイ・グ」は、希少な種類であることから、幅広く好まれています。先ほどのダイホアン村の「チュオイ・グ」協会会長の話です。

(テープ)

「バナナの主要な消費先は、北部の各省、各市は勿論ですが、南部ホーチミン市などです。その他、日本やマレーシア、中国、ドイツに在住しているベトナム人が帰国した際に、バナナを買っていきますよ。現在、村にあるほとんどの家庭はこの種類のバナナの栽培に従事しています。」

ダイホアン村のバナナ「チュオイ・グ」はベトナムの有名な特産フルーツ・トップ50に選ばれています。

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