(VOVWORLD) -ハノイ市内のハンバック(Hàng Bạc)通りとデインコン(Định Công)村、及び北部タイビン(Thái Bình)省のドンサム(Đồng Xâm)村はベトナムにおける伝統的銀細工職業で知られています。その中でもドンサム村の銀細工仕事は15世紀頃からの長い歴史を誇っています。
写真:Lâm Khánh – TTXVN |
当初、ドンサム村の住民たちは、銅製の容器、刃物、金属製急須の取っ手を主に製造してきましたが、その後、銀、銅の細工を行いました。最盛期になると、ドンサム村の職人は、全国各地へ出て、銀細工の仕事で生計を立てたそうです。現在、ドンサム村では、4000人あまりを雇用する約150か所の銀細工工房が活動しています。
村人の話です。
(テープ)
「ドンサム銀細工職業村は、約600年の歴史があります。昔、銀細工職人たちは、銀製品を造り、封建時代の皇帝や王、官吏、及び外国人の商人に販売しました。現在、銀細工製品は、装飾品や、仏具、記念品などとても豊富になっています。首都ハノイだけでなく、中部のフエ、ダナン、南部のホーチミン市などにも代理店があります。」
写真:Lâm Khánh – TTXVN |
銀細工は、独特で繊細さが求められる職業です。ドンサム村の銀細工製品は、デザインの独自性や、種類の多様性、そして製品の巧みさなどで他の地方の製品に比べ優れています。ドンサム村の職人の話です。
(テープ)
「銀細工の作り方には、10の製造工程がありますが、大きく分けると、3種類です。それらは、彫金、精密鋳造、象嵌細工という作り方です。銀のアクセサリーの場合、最初の作り方は彫金という方法ですね。これは、銀の地金を様々な工具を使って、叩いたり、切ったり、彫ったりといった加工をする方法です。次の精密鋳造方法では、アクセサリーの原型を作っていき、その原型から型をとり、その型に溶かした金属を鋳型に流し込み作ります。そして、象嵌細工は、地金の素材を彫って、その部分に他の材料をハメこんで模様を表す技法です。この3種類工程の中で、象嵌細工は一番難しい工程です。ドンサム村の職人たちの最も優れた腕の発揮するところは、手作りで凸のデザインを表現出来るということです。」
写真:Lâm Khánh – TTXVN |
その一方で、この数年間、ドンサム村の職人たちは、銅細工の製品を造っています。これらの製品は、高品質でありながら豊富なデザインので愛用されています。
先ほどの職人はさらに次のように明らかにしています。
(テープ)
「金、銀、銅の3つの金属のアクセサリーにはそれぞれの難しさがあります。でも、私たちは、全ての素材を美術的にも技術的にも施すことが出来ますよ。」
銀細工職業のドンサム村の各世代の職人たちは、先祖から伝わる職業に熱意を示すことで、絶え間なく伝統的職業の維持と発展に励んでいます。