(VOVWORLD) -現在、この村の陶器生産活動は、以前ほど盛んではありませんが、伝統的な真髄を保っています。
陶器のフォンカイン村は首都ハノイから北へ45キロ離れた所にあるビンフック省ビンスエン県フォンカイン町にあり、300年の歴史を誇るベトナム国内で有名な陶器村の一つです。現在、この村の陶器生産活動は、以前ほど盛んではありませんが、伝統的な真髄を保っています。
フォンカイン村の陶器製品は、自然の色、素朴な美しさがあり、破損しにくいと評されています。村の資料によりますと、18世紀半ばに、朝廷の優れた官吏であるチン・スアン・ビエンは、フォンカイン村の農作業を手伝うために、この村に派遣されました。現地住民は農作業で主たる生計を立てているため、貧困な生活を送っていることを目にしたビエンさんは、村人に陶器の作り方を教えることにしました。そのお陰で、村人の生活は改善されるようになりました。後に、村人はビエンさんを陶器の元祖として顕彰され、元祖の功労を思うため、祠を建立しました。
同村の陶器職人の話です。
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「毎年、旧暦1月6日に、私たちは、村の伝統的職業の創始者の命日を行います。そして、10年一度、神輿を担いで、村の周りを回ります。現在、村全体では、6つの生産工房が活動しています。」
現地の良好な土壌に恵まれたことで、ここの粘土で作った陶器製品は、他の地方の製品と異なる独自性があります。例えば、乾燥した茶葉は、陶器の容器に入れて、数週間以上保管しても、茶葉の品質は保たれます。あるいは、蓋つきで密閉した容器に入れて、保管した作物の種を畑に蒔いた場合、全ての種が芽生えてくるということです。
フォンカイン村にある陶器工房のオーナーの話を聞いてみましょう。
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「フォンカイン村の陶器製品の表面は釉薬を付ける必要がないです。というのは、原料とされる粘土は、土壌を構成する細かい粘土質なのでモチモチで粘りが強く、互いにくっつき合い、耐水性があるからです。素焼きした陶器の表面は自然の色ですよ。」
この村の陶器製品の生産工程は、全て手作業で行われます。かつては容器や釜、お茶セットなど日常生活に関わる製品が主要でしたが、最近、消費者の要求に応える為に、陶器製品の種類が多様化されています。先ほどのフォンカイン村にある陶器工房のオーナーの話を聞いてみましょう。
(テープ)
「現在、私たちは生活に良く使用される製品だけでなく、陶芸の作品も作っているんですよ。これは、伝統職業を維持、発展させる為ですね。生活用の陶器製品の値段は安いですけど、同じ量の粘土で出来上げられた陶芸作品は2~3倍の価格で売れますよ。」
フォンカイン村の陶器製品は、国内各地に出荷される一方、幾つかの製品が外国にも輸出されています。