米国・EU貿易戦争が勃発するか

(VOVWORLD) - 最近、アメリカとEU=欧州連合などとの貿易関係においては複数の消極的な兆しが出ており、中でも、関税障壁の強化傾向があります。世界経済が多くの困難に直面している現在、各国間の貿易面での相互報復措置は深刻な被害をもたらすと懸念されています。

トランプ政権が鉄鋼とアルミニウムの追加関税を課す輸入制限をドイツをはじめとするEU諸国に適用すると発表したことを受け、EU側もアメリカからの輸入品に報復関税導入を表明し、 来る7月1日から、約28億ユーロ相当のアメリカからの輸入品に25%の関税を課す意向を示しました。

米国・EU貿易戦争が勃発するか - ảnh 1              (写真:AFP)

これらの関税障壁により、双方の企業が巨額の被害を受けることは当然ですが、それよりも深刻な問題は、全地球の貿易秩序とWTO=世界貿易機関内の公約履行が脅かされるということです。

報復措置相次ぐ

アメリカ政府は5月31日、EUや、カナダ、メキシコに対し、鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税を適用すると発表し、適用は午前0時から、税率は鉄鋼が25%、アルミニウムが10%にのぼっています。アメリカのこの決定は関係各国の猛反発を受けています。

EUの執行機関であるEC=欧州委員会のユンケル委員長は、「世界貿易に関連する一方的な措置の導入は容認できない」とし、対抗措置を導入すると表明しました。また、ECのマルムストローム通商担当委員はWTOに不服を申し立てる方針を明らかにしました。特に、以上取り上げましたように、来る7月1日から、約28億ユーロ相当のアメリカからの輸入品に25%の関税を課すことも辞さない姿勢を示しています。

実際、今年初めから、アメリカとEUとの通商摩擦はついに貿易戦争に突入しました。アナリストらによりますと、大統領選挙戦で「貿易を保護し、貿易自由化と経済のグローバル化に反対する」というスローガンを掲げたトランプ大統領は、有権者と支持者に対する自らの公約を履行するために、輸入品に対する貿易障壁を強化していきます。従って、トランプ氏はアメリカと相手国との衝突の火種をつけました。

EUを含む世界経済のリスク

アメリカとEU間の貿易摩擦が一段と激しさを増せば、貿易量が減少して世界経済の停滞につながると指摘されています。OECD=経済協力開発機構によりますと、アメリカが共同歩調を求めるEUも関税引き上げに踏み切った場合、世界の貿易量は6%、世界のGDPは少なくとも1.4%押し下げられます。主要国が同時成長を遂げた世界経済は、腰折れの危機に立たされることになるとしています。

ユーロ圏諸国が体制改革を進め、難民問題など多くの困難に直面している中、その貿易摩擦は強力な打撃になります。そして、この問題の外交的な解決策が早期に見つけられることが期待されています。

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