中部高原地帯テイグエン地方に住む各少数民族の文化について墓に置かれる像の彫刻を抜きに語ることはできないでしょう。これらの像はたんに彫刻品であるだけでなく、生涯に関する観念を表すものでもあります。
水牛供犠祭りはバナ族の言語でスチャンと呼ばれ、神の供養を行い、豊作を祝うなど、新春を迎えるにあらり開催されるものです。この祭りは地元の条件によって規模は異なります。
バナ族の感謝祭とは成人し、自立した人間が両親に感謝を示す儀式です。これはバナ族コミュニティの美しい文化を表しています。
バナ族の大安を祈る儀式は大昔から伝わるもので、人間と収穫にまつわるものです。この儀式は人々の健康や豊作を祈り、戦争や疫病の回避を祈願します。
バナ族の錦織は古くから伝わる職業です。手づくりの錦はエレガントな模様が取り入れられ、バナ族の文化や人柄を表すとされています。
人生の通過儀礼の中の結婚式はバナ族コミュニティにとって、重要な儀式の1つです。居住地や歴史時期によってバナ族の婚姻儀式が異なりますが、伝統的なスタイルの結婚式はバナ族独特な文化を表すと評されています。
ロン(Rong)という集会所は独特な建築物であり、バナ族コミュニティのコモンハウスとされています。これはコミュニティの団結と良いつき合い、自然と 調和した生活スタイルを示すだけでなく、獣を避ける所でもあります。バナ族の集落なら、どこでもロンという集会所があります。
バナ族は中部高原地帯に住んでいる少数民族の中で多い人口を抱えており、同地ならではの独特な文化の一翼を担っています。バナ族はボナム、コンクデ、アラコン、クパンコンとも呼ばれ、言語は南アジア語族のモン・クメール語系に属します。
ムオン族の「この世の始まり(De dat de nuoc)」という独特な叙事詩は後世の各世代に向けてご先祖の生活ぶりや風俗習慣を語るものです。また、これはムオン族の無形の百科事典としても見なさ れており、ムオン族の人々の想像によって、民族の歴史が再現されています。
北部山岳地帯に住むムオン族コミュニティでは祖先崇拝や多神教の信仰が普及しています。祈祷師は神と人間を結ぶ使者であると考えられ、コミュニティの信仰活動を行うという重要な責任があります。
大昔、ムオン族の居住地ならどこでもドイ(Doi)というカレンダーが使われましたが、現在はホアビン省のムオンビ地区でしか使われていません。ド イは竹でできていて、ムオン族独特の暦です。ホアビン省、タンラク県、ムオンビ地区に住む祈祷師らはドイというカレンダーを保存、使用しています。
ムオン族の食文化は山や林の山菜を採り、その材料を使った簡素な料理です。代表的な料理は蒸し野菜、魚、豚肉などです。現在も、これらの料理はホアビン省のムオンビ地区に住むムオン族の日常、ひいては正月の料理となっています。
現在、生活スタイルは大きく変わっていますが、北部ホアビン省に住むムオン族の高床式の住居は方角選をはじめ、建て方、家具の配置方法などが昔のままです。そしてそれぞれの住居には独特な美しさが隠されています。
今もムオン族は綿の木を栽培し、布を織る伝統を維持しています。ムオン族の衣装は全て手染め・手織りのものです。ムオン族の人々は器用な手先で、民族色豊な文化を表す錦を織っています。
ムオン族の生活にとってドラとシンバルは文化的価値がある重要な楽器とされています。ドラとシンバルはムオン族コミュニティのあらゆるイベントで鳴らされることから宝物として扱われ、各世代に受け継がれています。
ムオン族の文化色は生活スタイル、風俗習慣、信仰などに表れています。中でも、婚姻の儀式はムオン族の家庭、家族の形成、発展に大きな影響を与えるものであるとされています。
ムオン族はベトナムに居住する少数民族の中で、およそ100万人で3番目に多い人口を抱えています。ムオン族は北部山岳地帯、特にホアビン省とタインホア省に多く住んでいます。
モノン族は様々な良い風習を保っていますが、その中に人文的な通例から発生したコミュニティの団結があります。これらの通例と風習はモノン族のコミュニティの存在と発展を左右するものとみられます。
いくつかの少数民族と同様にモノン族は豊な叙事詩を誇っています。その中で、「オト・ノロン(Ot N’Rong)」という叙事詩は最古の物語とされており、モノン族の社会の発展ぶりを反映するものです。ベトナム文化部門は各少数民族の叙事詩の独特な価 値をよく把握した上で、関連各地方と連携し、この貴重な文化財の保存に取り組んでいます。
数千年前から中部高原地帯テイグエン地方では独特な楽器「石の楽器」が姿を現しました。この楽器の音色はテイグエン地方の各少数民族の気持ちを示すとされています。また、森のせせらぎの音のように聞こえ、人の心を虜にしています。